『閑散に売りなし』で32000円の底固めには好都合

今週の日本株相場は決算発表も一巡し手掛かり材料に欠けるなか、夏休みを取る市場参加者も多く、動意薄の展開となるだろう。

Bloombergの調べによると、お盆期間にあたる13日から16日の営業日を含む期間の1日平均とその前営業日を比較したところ、過去5年の東証プライム売買代金はすべて減った。平均は13%減、22年は33%減だったという。今年も商いが低調となるなか、膠着感の強い相場が予想される。

そうは言っても、底値固めにはかえって好都合かもしれない。「閑散に売りなし」という格言通り、市場参加者が少ないということは、売りも出にくいということでもある。

TOPIXは右肩上がりを維持して堅調

日経平均はダブルトップ形成後、予想通りの保ち合い相場が続いている。そうしたレンジ相場で3万2000円の大台が下値目途とかなり意識されているようだ。日銀のYCC修正と米国債格下げという大きなイベントで相場が急落する場面があったものの、いずれも3万2000円を大きく割り込むようなことはなかった。直近では、朝方売られて下値を探るも、その後は下げ渋る動きが顕著に見られる。下値は3万2000円で相当固まってきた。そう考えれば、調整局面入りも無駄な期間ではなかったということだ。

さらに言えば、TOPIXは日経平均とはチャートの形状が異なり、8月に入って初日の1日にバブル崩壊後の高値を更新した。その後の押しも7月の安値を下回らずに全体として右肩上がりの基調を維持している。日本株相場は「夏枯れ」との印象に反して実際は相当に堅調である。

今週の主な予定は、15日に日本の4-6月期GDP速報、中国では鉱工業生産、小売売上高、米国では小売売上高、ニューヨーク連銀景気指数、16日には訪日外国人客数、米国ではFOMC議事録、17日に機械受注、米国ではフィラデルフィア連銀景気指数、そして18日に日本の全国消費者物価指数が発表される。

注目は米小売売上高と日本の訪日外国人客数の発表

注目は米国の小売売上高だ。ウォルマートやターゲットなど小売り企業の決算発表と併せて、米国の消費の強さを占うことになる。

また、日本では先週、中国の団体旅行解禁のニュースでインバウンド関連が買われたが、今週も16日の訪日外国人客数の発表に合わせて、再度インバウンド関連が賑わうか注目したい。

予想レンジは3万2200円~3万2900円とする。