2024年からスタートする新しいNISAでは、どのような商品が購入できるのでしょうか。新しいNISA口座では「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を同時に使うことができます。今回は「つみたて投資枠」で購入できる商品について解説します。新しいNISAの生涯投資枠はすべて「つみたて投資枠」で埋めても良く、新しいNISAを活用する上では土台となる部分でもあります。

「つみたて投資枠」で購入できる商品の具体例

「つみたて投資枠」で購入できる商品は、現行のつみたてNISA対象商品と同じで、一定の条件を満たしたものに限定されています。

具体的には、株式に投資する投資信託や、株式を含むバランス型投信が対象です(図表1)。債券やREIT(上場不動産投資信託)だけに投資する投信は対象外です。投資信託は幅広く分散された商品が中心で、購入時手数料は無料、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)も上限が決められています。 

【図表1】つみたて投資枠=つみたてNISA対象商品(221本)
出所:筆者作成
※ 2023年2月9日時点

つみたてNISA対象商品は、(1)指定インデックス投信(2)指定インデックス投信以外の投信(3)ETF(上場投信)の3つのグループに分けられます(図表2)。

2023年2月9日時点で、対象商品は221本。そのうち、(1)指定インデックスファンドが188本、(2)指定インデックスファンド以外の投信が26本、(3)ETFは7本となっています。ここでは、(1)指定インデックスファンドと(2)指定インデックスファンド以外の投信についてみていきます。

【図表2】つみたてNISA対象商品は3タイプに分かれる
出所:筆者作成
※ 2023年2月9日時点
前述のように、つみたてNISA対象商品は下記の一定の条件で絞り込まれています。

・信託期間が無期限または20年以上
・決算頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
・金融庁へ届出がされていること
・受益者ごとに、年に1回、信託報酬等の概算値が通知されること

上記は(1)から(3)のタイプすべてに共通する要件ですが、その他にタイプ毎に基準が細かく決められています。例えば、(1)指定インデックスファンドであれば「指定された指数(インデックス)に連動(※1)」「購入時手数料なし(ノーロード)」「信託報酬の水準が一定以下(国内資産対象の投信は税抜き0.5%以下、海外資産を含むものは税抜き0.75%以下)(※2)」といった基準があります。

運用管理費用は低コストがデフォルト。商品購入のチェックポイント

現状、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)については低コスト化が進み、法令上の上限よりもかなり低い水準になっています。

2023年2月現在、投資先を国内とする指定インデックス投信の信託報酬は平均で0.255%、投資先を内外・海外とする指定インデックス投信は平均0.31%です(2023年2月現在)。こうしたことを踏まえると、資産形成の土台づくりにインデックス投信を購入したい人は、つみたてNISA対象投信から選ぶのが賢明です。

ただし、かなり本数が増えてきて、純資産総額の少ない投信も目立ちます。もし、株式投信で、どの指数に連動する投信を買うかを決めたら、同タイプの中から信託報酬料率に加えて、資金が安定的に流入しているか、純資産総額が安定的に増えているか、といった点も確認しましょう。投信評価会社モーニングスターのサイトなどでチェックできます。

また、(2)指定インデックスファンド以外の投信(アクティブ投信や指定外の指数に連動する投信)については、手数料水準だけでなく、「純資産総額50億円以上」「設定から5年以上経過」「設定以来、資金流入超の回数が3分の2以上」といった条件も加えられています。そのため、指定インデックスファンド以外の投信は条件をクリアする投信が少なく、つみたてNISA対象商品はインデックスファンドが大部分を占めています。

安定的に資金が流入する、という条件が特に厳しいようですが、最近は確定拠出年金専用投信を一般に買える形にするなど、徐々に対象となる投信は増えてきています。

なお、つみたてNISA対象商品については、金融庁のホームページの他、投資信託評価会社であるモーニングスターのウェブサイト内にある「つみたてNISA総合ガイド」が参考になります。

つみたてNISA総合ガイドでは、つみたてNISA対象ファンド一覧が掲載されており、投資信託をインデックス、アクティブ別に、地域(国内・海外、内外型)や指数の名称(インデックスファンドの場合)などで絞り込むことができます。また、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)の低い順番に並び替えることも可能です。

今回は新しいNISAのうち、「つみたて投資枠」の対象となる商品について解説しました。つみたてNISA対象商品は誰でも活用できるものですが、中でもこれまで投資をしたことのない人や初心者、そして、長期的に積立投資を行うことで資産形成をしていく現役世代を特に意識した設計になっています。

(※1) マーケット全体の動きに連動する主要なインデックス
(※2) 信託報酬は税抜の数値。ファンド・オブ・ファンズにおける投資対象ファンドの信託報酬を含む