ライフプランニングの基本、6つの手順
前回のコラムにて、コロナ後に仕事や働き方、望む生活が変わるかもしれず、ライフプランが変わってくる可能性、それに伴う資産配分の見直し、現在はリアロケーションを考えるタイミングであることを書きました。今回のコラムでは、ライフプランからリアロケーションに至る手順について見ていきましょう。
まずはライフプランニングの基本から。次の6つの手順を踏まえて、見直してみましょう。
1. 自分の年齢、これからの希望、予定を年齢順に時系列の表に記入
2. それぞれのイベント(ライフイベント)にどの程度のコストがかかるかを推定
3. 現在の月々の支出、今後の支出を計算、2.の特別な支出を含め年単位の支出を時系列表に記入
4. 現在の月々の収入、今後の収入(転職、退職、年金等)を想定、年単位で時系列表に記入
5. 現在の資産、将来の収入予定(保険金、遺産等)と3.4.から計算される収支を時系列表に記入、生涯収支を計算
6. 5.において老後に赤字にならないならば問題なし。赤字転落の場合、老後破綻の可能性もあり
老後破綻の可能性が高いと思われる場合、就労可能年齢を超えてしまうと挽回が難しくなるため、早めの見直しが必要です。
たとえば、ライフイベントの見直し、コストの削減、基本支出の見直し(無駄をなくす、家計のスリム化)、収入の見直し(転職や副業についての検討等)などです。それらを反映しても赤字転落である場合は、お金に働いてもらう運用計画も見直します。
リアロケーションは資産配分の変更のことですが、通常はあまり変更するものではなく、定期的なリバランスで十分だと言われています。
極端な相場変動があったときや年齢によりリスク許容度が変わったときなどは、抜本的に資産配分を見直すリアロケーションが必要です。
多くの個人投資家は新型コロナウイルス感染症の拡大による相場急変で一時的に資産評価額が急落していると思います。ウイルスとの闘いが終息しても、世界の経済状況が急回復すると楽観的に考えることは難しいでしょう。
投資家の不安心理を反映した市場は乱高下しやすく、実態経済の傷みの修復には時間を要します。資産の回復にも時間を要する覚悟が必要です。
アフターコロナに向けてリスク資産を運用するうえでの3つの注意点
リスク資産におけるリスクはこれまで以上に大きくなります。そこで、これまでの自身のリスク許容度について改めて考えましょう。
リスクを大きくすれば、リターンも大きくなる可能性は高まりますが、こうした市場状況が不安定であるときは、短期間で大きなリターンを狙って損失を取り戻そうとすることは大変危険な行為です。
投資可能期間、必要額を踏まえたうえで、欲張らない資産配分を探していくことになります。以下の3点はぜひとも注意してください。
・期待リターンを高め過ぎない
・自身のリスク許容度を高めない(無理をしない)
・投資期間はなるべく余裕を持つ
景気が悪化しても投資をやめず、焦らず「種まき期」と考える
運用計画を見直してもまだ老後資金が不足している場合、運用リスクを高めるのではなく、前述の他の部分の見直しをもう一度してみましょう。
景気は循環するものですし、不況下ではそれ以上悪くなるより回復することが期待できます(どれだけ時間がかかるかは分かりませんが…)。投資そのものを止めてしまうのではなく、また急ぎ過ぎずに「種まき期」と考えてみましょう。