新型コロナウイルスが終息した後の世界
「新型コロナウイルスが終息すれば、世の中は元通りになる!」と考えていましたが、どうやら世界中に蔓延したこの病との闘いは長期戦になりそうです。となると、長期に至った場合の「コロナ後」を今から見据えておくことが必要になります。
医療制度や様々な体制そのものが変わらざるをえなくなるかもしれません。
経済面は深刻です。雇用に関しては、休業にとどまらず失業する人が増えます。これは世界規模で起こっており、アメリカでは新規失業保険申請件数がロックダウン開始以降の5週間で合計2650万件にも達しています。世の中の経済活動が再開されても、家計の消費が伸び悩むことも考えられます。世界対ウイルスという構図であり、今後は産業構成も変わっていくかもしれません。
これまで政府が働き方改革の旗振りをしてもなかなか変わらなかった個々人の働き方においても、今後はテレワークやフレックスタイムなどが当たり前になるかもしれませんね(現時点ではテレワークにストレスを感じている方もいらっしゃるかもしれませんが……)。
これまでの世界的な不況とは異なり、世の中のニーズそのものもコロナ前後で変わってくることが考えられます。レジャーや消費活動もこれまでとは異なるものが求められてくるかもしれません。
今回の経験から緊急時に何が必要で、何が足りなかったのか。将来設計としてどこでどういう生活をしていきたいのか。自分にとって何が幸せで、そのためにはどう生きていきたいのか……とライフプランそのものが変わってくることもあるでしょう。
投資では安全資産である「金」の需要が増加
投資の世界でも、今回、久々に「有事の金」と言われていましたね。ここ何年もリスクオフとなると安全通貨として円が買われるようになっていましたし、その前は「有事のドル」と言われ、何か起こると米ドルが買われていました。ですが前述の通り、世界のどこにも「安全な国」がない状況では、安全資産だと考えられている「金」の需要が増加することとなりました。
世界の株価は、どこも乱高下しつつもコロナ前に比べると大幅な下落を見せています。為替相場もさすがに各国がロックダウンを始めた頃は激しい値動きをしていましたが、最近は「安全通貨」が見つからずに値幅が落ち着きつつあります。
世界中が低金利から脱しきらないまま迎えた今回の大不況に対する各国、地域の中央銀行による金融緩和策や国による財政政策にも限界があります。大型な財政支出ができる余裕のある国もなく、景気回復に不安を感じるこの頃です。
投資している資産はリアロケーション(配分の見直し)も考える
前回も書きましたが、世の中が大きく変わっていく中において、全体の景気が不透明であっても、いち早く伸びていく企業、業種はあるものです。世界のマネーは常にそうした投資先を求めて動いていきますので、その動向を絶えずチェックしていきましょう。
また、現在投資中の資産については、分散投資をされている場合は年に一度のリバランスはされていると思いますが、それとは別にリアロケーション(配分の見直し)を考える機会になるかもしれませんね。