最近行った或る美術館と博物館では、撮影が禁止されていませんでした。もちろんフラッシュは禁止ですが、全て撮影はOK。欧米では撮影OKのところが普通なので、日本でもようやくそうなってきたのでしょうか。

何故日本はグローバルスタンダードと違うのか?諸説があるようですが、欧米では公的所有物(国立の美術館や博物館の所有物)はみんな(国民)のもの、日本では公的所有物はお上のもの、という意識が強く、そこから来ているのではないか、との説明が納得感が強いです。しかしこの時代、そのような封建主義をルーツとするような考え方は、流石に変化してきているのでしょう。

この美術館での撮影の話の理由は、どうでもいいことのようにも思えますが、「企業は誰のものか」という、資本市場・株式市場を考える上で極めて重要なテーマにも、実は少なからず影響を与えているように思われます。上場企業の所有者は、端的に、それは株主に他なりません。上場企業のステークホルダーは、従業員、顧客、社会、など色々あり得ますが、所有者は株主の筈です。しかし日本では、曖昧模糊な代々引き継がれてきたもの、株主や従業員の、延いては顧客の上位概念があるように思われて、それが日本の株式市場に独特の色合いを及ぼしていると思います。

もちろんそこにはいい面もなくはないのですが、上場株式には世界中の投資家がアクセス出来て、世界中の投資家をお客さまとしなければいけない身である以上、やはりグローバルスタンダードは強く意識しなければいけないでしょう。日本中の企業がそうでなければいけない、と云ってるのではありません。自らの意志で上場企業であることを選択している以上、守るべき一定の価値観があると思うのです。こんな話は目新しさの一切ない、使い古された話ではありますが、昨日トウハク(東京国立博物館)で見た撮影OKのリアル三国志こと「特別展・三国志」に訪れて、ふとそう思ったのでした。

蛇足ですが、その三国志展で優待生活でお馴染みの桐谷広人さんにバッタリ会いました。先日のマネックス20周年記念セミナーでの御講演の御礼を述べたところ、今日も○○の優待券でこの展示に来ました、と説明されました。桐谷さん、やるぅ!