記事一覧

チーフ・アナリスト大槻奈那が、金融市場でのさまざまな出来事を独自目線で発信します。

月1回月曜日に更新
アナリスト夜話
重要なことは「細部」に宿る
週末に、出先で紙版の日経新聞朝刊を久々に読みました。数年前にアプリ版に切り替えて以来、紙媒体は殆ど読まなくなっていました。しかし、いざ紙媒体をみると、これはこれで、非常に興味深いと...
CPI以上だった米消費者マインドの衝撃
先週末発表された米CPIは市場予想を上回る8.6%(予想は8.3%)となり、株価を押し下げました。が、これ以上に驚愕だったのは、同日に発表されたミシガン大学による消費者マインド指数でした。...
暗号資産:暴落で明らかになった「新たな顔」
先週は、暗号資産市場が相次いで厳しいニュースに見舞われ、ビットコインの1週間の下落率は14%に達しました。米ドルと連動するステーブルコイン「テラ」のアルゴリズムが崩れ、10日には、安定...
ロシアのデフォルトで、東西の関係は「定常化」へ
先週末、格付会社は、ロシアを「選択的デフォルト(一部の債券をデフォルトとすること)」とするとともに、異例の格付け取り下げを発表しました。ロシアは、1998年にも債務の一時停止(その後支...
ロシアのウクライナ侵攻:「ブロック経済化」への備え
ロシアのウクライナ侵攻の痛ましい報道が続いています。過去の紛争と異なり、生の映像がSNSを通じて世界に届けられることで、市場マインドにより大きな影響を与えていると感じます。戦況の行方...
オミクロン収束間近で注目される経営陣の国際性
近年社会科学の分野で注目されているテーマの一つに、経営者の国際性があります。数年前、カリスマ・デザイナーの故カール・ラガーフェルドが多くの国で活躍した経験を持つことに着目した学者ら...
目指すはシャネルバッグの「値上げ力」
週末土曜日は、全国セミナーを開催させていただきました。ご参加の皆さんありがとうございました。最後のパネル・ディスカッションの「今年の注目点」では、今回は5人のメンバーのうち3人が「イ...
2022年は本当のDX元年
今年日本で最も進化したのは、官庁のデジタル化ではないでしょうか。6月に、規制改革推進会議は、2025年までに行政手続きの98%をオンライン化するという目標を公表しました。9月にはデジタル庁...
“スーパー補正予算”はどこまで成長を促せるのか
岸田政権の補正予算案が閣議決定されました。財政支出は55.7兆円と、コロナ真っ只中の昨年を上回り、リーマンショック時の2倍。過去最大規模で、“スーパー補正予算”と言っていいでしょう。今...
総選挙通過で注目したい次のテーマ
衆議院選挙が終了し、自民党が事前予想よりは強く、絶対安定多数を単独で確保したことで、市場はひとまず好感しそうです。短期的には、補正予算の規模が焦点でしょう。コロナ禍はやや落ち着いて...
恒大集団問題の本当のリスク
週末の土曜日は劇場版「鬼滅の刃」のTV初放映で盛り上がったようですが、その裏で放送された中国「鬼城」のNHK・BSの特集も素晴らしい力作でした。「鬼城」とはゴーストタウンを意味し、デベロ...
アフガニスタンがもたらす新たなエネルギー覇権
先週夏休みをいただき、友人の勧めで観始めた「愛の不時着」(NETFLIX配信)にハマりました。背景にある南北朝鮮の対立が涙をそそります。そのような呑気な話ではなく、足元ではアフガニスタン...
中国の規制強化は“成長痛”
欧米の「カーリング・パパ(CurlingDad)」に中国の「チキン・ベイビー」…いずれも親の熱血教育を表わす言葉です。カーリング競技のスイーパーのように子供の前の障害物を親が懸命に取り払う行...
激化する”RaaS”と市場の注目点
独立記念日の週末を前に、米国でまたまた大規模なランサムウェア攻撃が明らかになりました。サーバー管理運用会社のカセヤ社が被害を受け、そのサービスを受けている1000社を超える企業に影響が...
緑一色(リュウイーソー)
先週木曜日に、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG、8306)が投資家・アナリスト向けに「サステナビリティ経営~気候変動への取り組み」というオンライン説明会を開きました。以前に比べて、...
“フィンフルエンサー”相場はどこまで行くか?
米国の土曜深夜に、テスラのイーロン・マスクCEOがバラエティ番組「サタデーナイトライブ」に登場しました。これに伴い注目を集めたのが、マスク氏が応援する柴犬マークの暗号資産ドージコイン...
レバレッジに黄色信号
コロナ禍でヘッジファンドへの資金流入が続いています。世界の受託資産は昨年1年間で約20%増加し、過去最高の410兆円(3.8兆ドル)に達しました。特に中国の伸びが著しく、預かり資産の増加率...
大学受験者激減の厳しい現実
週末は兼務先の大学の卒業式に参加しました。入学時とは見違えるほど立派になった卒業生の姿を見て、若い頭脳にとっての4年間・3万5千時間の学びやさまざまな活動はやっぱり貴重だと実感しまし...
英デリバルーが試す社会型IPO
英国で3年ぶりの大型IPOが注目を集めています。デリバルー(Deliveroo)という宅配会社で、時価総額は70億ドル、約7500億円とされます。しかし注目は規模だけではありません。宅配の注文客にも...
BTC(ビットコイン), SPAC etc… 出口の近くで踊る
10年前に行われた「スタークラフト」のeスポーツ・トーナメントの賞金は、1位の約5万円(500ドル)に対し、5位から8位までは、各25ビットコイン(BTC)でした。当時の価格では数千円ですが、今や...
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大槻 奈那
ピクテ・ジャパン株式会社 シニアフェロー
内外の金融機関、格付機関にて金融に関する調査研究に従事。Institutional Investors誌によるグローバル・アナリストランキングの銀行部門にて2014年第一位を始め上位。政府のデジタル臨時行政調査会、財政制度等審議会委員、規制改革推進会議議長、中小企業庁金融小委員会委員、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のアドバイザー等を勤める。日本経済新聞「十字路」、日経ヴェリタス「プロの羅針盤」、ロイター為替フォーラム等で連載。日経Think!エキスパート・コメンテーター、テレビ東京「モーニングサテライト」で解説。名古屋商科大学大学院 マネジメント研究科教授 東京大学文学部卒、ロンドンビジネススクールMBA、一橋大学博士(経営学)

著書:
『本当にわかる債券と金利』(日本実業出版社)、
『1000円からできるお金のふやし方』 (ワニブックス)
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