昨日のつぶやきに書いたように、アメリカの金融市場は少しずつ回復してくるように思えます。病気が治る時、一気に良くなる訳ではありませんが、或る時点から、三寒四温のような波を縫いながら、次第に快方に向かっていく。そんな転換ポイントがあるものですが、そのポイントを越えたような、これは希望的観測かも知れませんが、そんな気がします。しかしそれは、繰り返しますが、ここから一本調子に良くなってくるのではありません。良くなったり悪くなったり、そう云った波を縫うでしょう。

そして今回は、その波の高さと頻度が、引き続き大きいのではないかと思います。振れ幅が大きい、ボラティリティが大きいとも云えるでしょう。そしてその波が続く中では、小さな会社ほどリスクが高く、大きな会社ほど安全だと思います。このことはカジノに行くことを想像すれば容易に理解できます。
100ドルを握ってカジノに来たAグループと、1万ドルを持ち込んだBグループ。どんなゲームにも勝ったり負けたりの波があり、その波の出方も、最終的な期待値も、Aグループ・Bグループ、それぞれに全く公平に等しいものです。しかし持ち込んだお金を全額すって、ゲームオーバーになる確率は、Aグループの方が遙かに高くなります。これは破産の数学と呼ばれるものです。全く同様に、これからのアメリカの金融市場の波の中では、小さいファンドや会社は致命的な問題に直面し易く、大きな会社は、波を乗り越えていくでしょう。そんな観点から見ることも、大切なことだと思います。