【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,296.51 △426.16 (11/22)
NASDAQ: 19,003.65 △31.23 (11/22)
1.概況
先週末の米国市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。ダウ平均は、1ドル高とほぼ横ばいで取引を開始しましたが、同日発表の米経済指標が底堅い景気を示したことで、景気敏感株や消費関連株を中心に買いが広がり、朝方に一時339ドル高まで上昇しました。
その後、午前10時発表のミシガン大学消費者信頼感指数確報値が市場予想を下回り上げ幅を縮める場面もありましたが、再び買いが優勢となり終日堅調な推移となりました。引けにかけても上げ幅を拡大し、最終的に426ドル高の44,296ドルとほぼ高値で取引を終え、史上最高値を更新しました。
また、S&P500株価指数は20ポイント高の5,969ポイントとなり、5日続伸しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント高の19,003ポイントと小幅に続伸となりました。
2.経済指標等
11月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は71.8と前月の70.5から上昇となりましたが、市場予想と速報値(どちらも73.0)は下回りました。S&Pグローバルが発表した11月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値の総合指数は55.3と前月の54.1から上昇し、2年7ヶ月ぶりの水準に上昇しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上昇しました。資本財・サービス、一般消費財・サービス、金融、生活必需品の4業種は1%以上上昇しています。一方で、コミュニケーション・サービスと公益事業、情報技術の3業種は1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上昇となりました。ボーイング[BA]が4%超上昇したほか、ナイキ[NKE]が3%超上昇、アメリカン・エキスプレス[AXP]やホームデポ[HD]、ウォルマート[WMT]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、キャタピラー[CAT]が2%以上上昇となりました。
一方で、5銘柄が下げ、エヌビディア[NVDA]が3%超下落したほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%超下落、そのほかメルク[MRK]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が1%未満の小幅な下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が3.8%高となりました。また、スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は11.6%上昇となり、大幅続伸が続いています。同社は新たな監査法人を起用したほか、ナスダック市場上場維持のための適合計画書を提出したことが材料視され、上場廃止懸念の下落から買い戻しの流れが続いています。
また、コーチやケート・スペードなどのブランドで知られるタペストリー[TPR]は、20億ドルの追加の自社株買いが好感され、4.4%上昇しました。アパレルのギャップ[GAP]は増収増益の第3四半期決算を公表し、12.8%上昇しました。
一方で、グーグルの親会社アルファベット[GOOGL]は1.7%安となりました。同社は、米司法省が20日にグーグルの検索市場独占を解消する是正策として、「Google Chrome」の売却や検索結果の競合他社との共有などを求めたことが嫌気され、連日下落が続いています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い4.40%となりました。ドル円は、154円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、先週末の米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。一方で、先週末の米国市場ではエヌビディアが3%以上下落しており、日本市場でも半導体関連株の一角が相場の重荷となることが想定されます。こうしたなか日経平均はドル円や長期金利をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)