【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,736.57  △440.06 (11/25)
NASDAQ: 19,054.84  △51.18 (11/25)

1.概況

米国市場は、主要3指数が揃って続伸となりました。トランプ次期大統領が新政権の財務長官に投資家のスコット・ビンセント氏を指名し、財務膨張を抑えながら米経済の成長が促進されていくとの期待から買いが先行しました。88ドル高で取引を開始したダウ平均はすぐに大幅上昇となり、一時519ドル高まで上げ幅を広げ高値を早々につけると、その後は上げ幅を縮める展開となりました。

216ドル高まで上げ幅を縮めたところで再び買いが優勢となり、米長期金利の一段低下も追い風となって引けにかけては上げ幅を広げていき、結局440ドル高の44,736ドルで取引を終え、連日で史上最高値を更新しました。また、S&P500株価指数は18ポイント高の5,987ポイントとなり、6日続伸しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も51ポイント高の19,054ポイントと3日続伸しています。

2.経済指標等

主な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち不動産や一般消費財・サービス、素材などの9業種が上げ、なかでも不動産は1%以上上昇しました。一方でエネルギーと情報技術の業種が下げ、エネルギーは2%近く下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上昇となりました。シャーウィンウィリアムズ[SHW]が3%近く上昇したほか、ボーイング[BA]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ナイキ[NKE]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、ホーム・デポ[HD]、キャタピラー[CAT]、マクドナルド[MCD]、メルク[MRK]、が2%以上上昇しました。一方で、6銘柄が下げ、エヌビディア[NVDA]が4%以上下落となったほか、シェブロン[CVX]やウォルマート[WMT]が1%以上下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]が15.9%上昇となり、大幅続伸が続いています。同社は新たな監査法人を起用したほか、ナスダック市場上場維持のための適合計画書を提出したことが材料視され、上場廃止懸念の下落から買い戻しの流れが続いています。

また、クラウドのスノーフレイク[SNOW]はアナリストの投資判断と目標株価の引き上げを受け、2.4%上昇しました。ホームフレグランスやボディケア製品を手掛けるバス・アンド・ボディ・ワークス[BBWI]は第3四半期決算で売上が市場予想を上回ったほか、通期EPS(1株当たり利益)の見通しを引き上げたことが好感され、16.5%上昇しました。

一方で、テスラ[TSLA]は4%近く下落しました。また、百貨店のメーシーズ[M]は従業員による不正会計が発覚し、その調査のために決算発表を延期することを発表したことが嫌気され、2.2%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.13%低い4.27%となりました。ドル円は、154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。一方で、米国市場ではエヌビディアが連日で下落しており、日本市場でも半導体関連株の一角が相場の重荷となることが想定されます。こうしたなか日経平均は心理的な節目の3万9000円を突破できるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)