昨日は富士開き。私の地元の富士神社は、江戸の富士山信仰の中でもメジャーな存在だった場所で、今でも富士開きを中日にした三日間は、縁日が開かれます。然しながらここ数年間、規模はみるみる縮小しており、屋台の数で半分程度に減ったでしょうか。かつては境内の外の通りの両側、更には近くの大通りの歩道にまで露店は出ていましたが、今は境内の中が全体の8割以上を占める感じで、かつ境内の中の店も、若干ワイルドさに欠けてきている嫌いがあります。時代の流れには勝てないと云うことでしょうか。

縁日好きの私は、それでもやはり出掛けてしまいました。浴衣を着ていこうかと思ったのですが、下駄はあっても帯が見つからない。近所の着物屋も休みで、仕方なしに普通の恰好で行きました。焼き鳥、じゃがバター、たこ焼き、焼きそば、あじフライ。いつもの定番です。私の大好物のとうもろこし焼きは、出ていませんでした。最近の屋台動向として、人気が沈滞しているようです。新しい店としては「チキンステーキ」なるものが複数出店していました。あれはもも肉でしょうか、一塊を鉄板で焼く。鉄板は焼きそばを焼くのと同じものと見受けました。焼き上がると一口サイズに切り刻み、発泡スチロールの皿に乗せてくれる。そこににんにく醤油、焼き肉のたれ、チリソースなど、好きなたれを自分で掛けて食べる。中々のボリュームで、美味しいのですが、それが300円。これは安い。焼き鳥一本100円、あじフライ一枚100円と比べると、明らかにお値打ちです。

私はそこに、テキ屋さんのビジネスモデルを垣間見た気がしました。既存のインフラを使って新商品を開発する。先ずは安く販売して、購買力を開発する。そして反応を見る。そうして認知されると、値上げしていくのでしょう。ビールは一本500円で販売していますから、評価の定まった商品では、地の利を生かして一気に強気に出る。中々よく考えたものです。そして私はその戦略にまんまと絡め取られて、高いビールを飲み、新商品に手を出し、そしてやはり高いあじフライ、焼き鳥を食べずにはいられないのでした。

あー、美味しかった。しかしよく考えると、あのあじフライはあまりにも小さ過ぎる。あれは何だったのでしょう?これもフライドチキンのインフラを使った新商品でしょうか?こちらは利幅が大きそうですが。しかしそんなことはもうどうでもいい。とにかく美味しかった!7月の江戸は縁日真っ盛りです。なるべく多く行って、縁日動向の確認をしたいと思います。