現在のファンダメンタルズ:トランプ米大統領演説後にリスクオフ強まる

先週(3月30日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円:  158.272円~160.462円   159.642円
・ユーロ/米ドル:1.14432ドル~1.16266ドル 1.15177ドル
・ユーロ/円:  182.593円~184.501円   183.805円

先週(3月30日週)の米ドル/円:リスクオフの米ドル買いと介入警戒感

先週(3月30日週)の米ドル/円は、前週末の「イエメン・フーシ派がイスラエルを攻撃」というニュースを受け、週初からリスクオフで始まり、160.462円まで円安が進行しました。しかし、三村財務官が「そろそろ断固たる措置」と介入を示唆する発言を行ったことで米ドル/円は反転、円買い戻しの動きとなりました。

この「断固たる措置」は2024年に介入が行われた際にも使われた言葉で、三村財務官としては初めて使った表現です。そのため、160円台後半を超える円安水準、おそらくは161円超で介入する可能性があると考えられます。この発言後は円買い戻しが進みました。さらに米国、イラン双方から停戦を期待させる発言も出たことから、原油価格が下げる動きも重なり、4月1日には週間安値となる158.272円をつけました。

4月2日の日本時間10時に、トランプ米大統領が米国民向け演説を行う予定だったため、一段と停戦期待が高まりました。しかし、蓋を開けてみると「今後数週間」としながらも、当面の戦闘激化懸念が強まる内容で、リスクオフが強まりました。直前までリスクオフの巻き返しが進んでいたこともあり、原油価格急騰をきっかけに、改めて米ドル買いが強まりました。

週末に向けては4月3日から6日まで、東京とNYを除く主要市場がイースター休暇となるため動きが鈍りました。4月3日に発表された米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が+17.8万人と予想よりもかなり強い結果でした。そのため、米ドルはやや底堅い地合いで引けたものの、数字のわりには動かなかった印象で週末クローズとなりました。

当初のイランとの協議期限が日本時間4月7日9時となっていました。しかし、トランプ米大統領は週末に同4月8日9時と、日時のみの発言をしました。これは期限が1日延びたということなのか、不明です。今週(4月6日週)もトランプ米大統領の発言とイラン情勢に振り回されやすい流れが続くこととなりそうです。

先週(3月30日週)のユーロ/米ドル:ECB早期利上げ思惑と日銀利上げ思惑

先週(3月30日週)のユーロ/米ドルは、米ドル/円と同様の米ドル主導の動きでした。一方、ユーロ/円は週初に三村財務官による介入示唆を受けて円買いが進み、その後はじりじりと週初の水準へと戻しました。

先週(3月30日週)以降、ECB(欧州中央銀行)の早期利上げ思惑が出ているものの、日銀も4月会合での利上げが確実視されてきています。そのため、金利差は変わらず、引き続き対米ドルでの動きを注視していくこととなるでしょう。リスクオフでは米ドル買いが進む一方、リスクオフの巻き返しでは米ドル売りが出ています。市場参加者としては、そろそろ次の材料が欲しいところでしょう。世界経済を考えると、早期停戦以外に道はないのですが、どうなって行くのでしょうか。

米ドル/円チャート(週足)、移動平均線は上昇トレンド、160円はレジスタンスに

長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

週足チャート(図表1)では、米ドルの上昇トレンドが継続中です。ただ、三村財務官の「断固たる措置」発言もあり、160円の大台(赤の水平線)を超える円安には今まで以上に警戒感が高まっています。一方でイラン情勢に変化が見られなければ、押しが入るところでは米ドル買いという動きも続くため、米ドル高値圏でのもみあいが続きやすい流れにあると言えます。

【図表1】米ドル/円(週足)
出所:マネックストレーダーFX
【週足チャートの見方】
長期トレンドは20週移動平均線と週足終値との位置関係で判断します。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。

米ドル/円チャート(日足)、基本はリスクオフによる米ドル買い

短期的な判断は日足で行います。

米ドル/円は、4月1日のデッド・クロス以降、2本の移動平均線がほぼ重なる動きが続いていました。しかし4月2日には、すぐにゴールデン・クロスが発生しました。短期的には米ドルの押し目買いが強い地合いを示しているチャートです。また短期平行上昇チャンネル(青の平行線)はいったん下抜ける動きとなりました。再び円安気味になってきたため、引き直すことも考えられます。ただ目先は、下抜けたサポートがレジスタンスになりやすいという見方でよいでしょう。

しばらくはテクニカルよりトランプ米大統領の発言次第という相場が続きそうです。ただ、今回はトランプ米大統領もなかなか「TACO」れない(=前言撤回できない)展開です。そのため、基本はリスクオフによる米ドル買いが強い、という前提でみておく必要があります。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:マネックストレーダーFX
【日足チャートの見方】
短期売買シグナルは5日終値移動平均線(青)と5日始値移動平均線(赤)のゴールデン・クロス(GC)、デッド・クロス(DC)で判断します。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。

ユーロ/米ドルは長期下降トレンド継続も、横方向の調整局面入り

ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。

週足チャート(図表3)では、ユーロ/米ドルは下降トレンド継続中ですが、1.14ドル台前半と1.16ドル台前半とに挟まれた横方向のもみあいが続いています。短期的には調整局面に入り、次の方向を探る流れとなっています。テクニカルには引き続き2025年安値と2026年の年初来高値の38.2%押しとなる1.13534ドルをサポートに、下抜けた平行上昇チャンネル(青の平行線)のサポートラインをレジスタンスとする流れです。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足) 長期トレンド=下降トレンド継続も調整局面
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表4)でも、ユーロ/米ドルは調整局面入りしていることが確認できます。短期のサポート・レジスタンスとして緑のトライアングル(三角もちあい)を引いてみました。このトライアングルを抜けないと膠着が続きます。ただ、地合いとしては米ドル買いが強くなりやすいため、下抜けに注意です。2本の移動平均線は4月1日にゴールデン・クロスとなっています。しかし短期的には方向感がはっきりしないこともあり、いつデッド・クロスに転じてもおかしくありません。

【図表4】ユーロ/米ドル(日足) 短期トレンド4月1日にゴールデン・クロスも長続きはしなさそう
出所:マネックストレーダーFX

ユーロ/円は上昇トレンド継続も、調整局面継続と見たほうがよい状況

ユーロ/円(図表5)は、上昇トレンドを継続しています。ただ平行上昇チャンネルは下抜けてきていることから、調整局面入りと見たほうがよい状況です。日銀、ECBともに利上げに動く場合、現在の水準でのもみあいを継続しやすい状況です。ただ、米ドル/円では160円が強いレジスタンスとして意識されているため、ユーロ/円でも上値は限定的になりやすい地合いです。現状185円が米ドル/円の160円と同様です。

【図表5】ユーロ/円(週足) 長期トレンド=上昇トレンド継続も上値は限定的
出所:マネックストレーダーFX

日足チャート(図表6)では、もみあいが続いていることで方向感を失ってきました。色々と線を引いていますが、短期的には緑の線で示したウェッジの中での推移とみてよさそうです。2本の移動平均線は4月1日に改めてゴールデン・クロスとなったものの形状的にはニュートラルに近く、いつデッド・クロスに転じてもおかしくないというチャートです。

主要3通貨ペアともに方向感がはっきりせず悩ましい展開が続きますが、今週も良いトレードを!

【図表6】ユーロ/円(日足) 短期トレンド=4月1日にゴールデン・クロス
出所:マネックストレーダーFX