2024年7月の円売り「バブル」に迫る投機円売り拡大

CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、6月9日時点で売り越し(米ドル買い越し)が14.5万枚に拡大した。これは2024年7月以来の大幅な円売り越しになる(図表1参照)。

【図表1】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2022年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

投機筋の円売り越しは、2007年6月と2024年7月に記録した18万枚がこれまでの最高である(図表2参照)。これらは、極端に行き過ぎた円売りという意味で円売り「バブル」と呼ばれ、「バブル破裂」局面では急激な円高が起こった。最近は、円売り「バブル」に迫るほど投機筋の円売りが拡大し、「行き過ぎ」への懸念が強くなってきたようである。

【図表2】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

金利差からのかい離が目立ってきた円安=投機円売りが主導

先週(6月8日週)は、週後半にイラン戦争終結への期待から原油価格が大きく下落、それを受けて米金利も比較的大きく低下したことから、日米金利差(米ドル優位・円劣位)は急縮小となった。ただ、そうした日米金利差縮小の割に、米ドル/円の反落は限定的にとどまったことから、金利差と米ドル/円の関係は、ややかい離が目立つところとなった(図表3参照)。

【図表3】米ドル/円と日米金利差(2026年4月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

日米金利差縮小の割に米ドル/円が下げ渋ったのは、急拡大する投機筋の円売りによって主導されたようにも見える(図表4参照)。その投機筋の円売りは、すでに見てきたように2024年7月に起こった円売り「バブル」に迫る動きとなってきた。

【図表4】米ドル/円とCFTC統計の投機筋の円ポジション(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

円売り「バブル破裂」で1ヶ月弱に約20円の円急騰=2024年7~8月

2024年7月の投機筋による円売り「バブル」は、日本の通貨当局による為替介入をきっかけにその後「バブル破裂」に転じた。この円売り「バブル破裂」局面において、米ドル/円は、7月11日の161円から8月5日には141円まで、つまり1ヶ月もしないうちに約20円もの急激な円高が起こった。

最近は、その2024年7月以来の水準まで米ドル高・円安が再燃してきた。そしてそれを投機筋の円売り「バブル」に迫る動きが主導していると見られる。これに対して、通貨当局は160円を大きく超える円安を容認しない方針で為替市場に介入する構えを続けているようだ。

2024年7月と同様に、投機筋の円売りと当局の円買い介入の攻防において、円売り「バブル破裂」の有無がその後の米ドル/円の行方を考える上で大きな鍵を握ることになるかもしれない。