現在のファンダメンタルズ:イラン情勢好転で目先の米ドル高値をつけたか
先週(6月8日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 159.571円~160.591円 160.202円
・ユーロ/米ドル:1.14998ドル~1.15891ドル 1.15677ドル
・ユーロ/円: 184.002~185.568円 185.318円
先週(6月8日週)の為替市場:米ドル/円は下値も固く値動きは乏しいまま
6月8日週の米ドル/円は前週の強い米国雇用統計後の米ドル買いの動きが先行しました。米国とイランとの報復の応酬という名の小競り合いも続く中、合意が遠のくとの懸念から米ドル一段高となり、一時160.591まで米ドル高・円安が進行しました。国内の個人投資家を中心に円買い介入への期待は強いものの先週も週間レンジが1円程度で、ボラティリティが低いままだったこともあり、当局からの円安牽制発言もトーンが弱い印象でした。
先週(6月8日週)後半からは金融政策ウィークが始まりましたが、ECB理事会では予想通り0.25%の利上げ、エネルギー価格が現状維持であれば7月利上げしないとの関係者の発言もあり、ユーロ/米ドルも含めて為替市場への影響はほとんどみられませんでした。
また今週(6月15日週)17日の日銀会合では、0.25%の利上げと国債購入金額減額の停止を示唆する記事が日経電子版に出たことで、こちらも想定内という見方で円相場への影響はみられませんでした。セットで発表される国債購入の減額停止は長期金利の上昇を抑えることでスティープ化しているイールドカーブをややフラットにする動きとなりますが、財務省による国債発行コスト上昇を抑える目的が強そうです。また植田総裁が入院中ということで、会合後の会見は内田副総裁が行う予定ですが、植田総裁よりタカ派ではないかとみる向きも多く、会見には念のため注意したいところです。
そして週明け、本日(6月15日)早朝に米国とイランとの合意発表があり、恒久的な停戦とホルムズ海峡の解放、通行料はなしという話までは伝わってきました。しかし、それ以上の具体的な内容への言及はなく、今週以降は今後の進展を見極めていくことになります。核開発に関することは合意に含まれていない可能性も高そうですから、その場合は今後も火種を抱えた状態には変わりはありませんし、湾岸諸国からの原油輸出が2026年2月の水準に戻るのもしばらく時間がかかりそうです。
当面はリスクオンに動きやすい状態にあるとは思いますが、最近の為替市場は他の市場に比べて動きが鈍く、特に米ドル/円の上は介入警戒感、下は米ドル売りポジションの買い戻し注文と、引き続き上下ともに限定的な動きとなりそうです。最近は一週間で1円動くか動かないかのレベルですから、159~160円というコアレンジをみておけば良いでしょう。
米ドル/円チャート(週足)、上昇トレンドも160円台は当面の高値圏に
長期的な判断は週足チャートで行います
テクニカル的には、緩やかな米ドル高のトレンドが続いていることは週足チャート(図表1)からも確認できます。ちょうど160円に乗せたところで、米国とイランの和平合意期待が強まりました。先週(6月1日)の高値は年初来高値の160.723に届かなかったことからいったん米ドル高のピークを付けたという判断です。ただ、上述の通り押し目での米ドル買い戻しの動きは強いものがあり、下値も限定的と考えざるを得ない状況です。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、長く続いたゴールデン・クロス状態が終わるか?
短期的な判断は日足で行います。
米ドル/円は狭い値幅で円安基調が続いており、5月7日にゴールデン・クロス(GC)となった状態がいまだ続いています(図表2)。ただ、米国とイランとの和平合意を受け、もう一段の米ドル売りが出てくるようであればデッド・クロス(DC)に転じるでしょうから、そろそろ長く続いたGC状態が終わる可能性は高そうです。ただ、長期的な円安地合い自体には変化がないため、DC後の次のGC待ちというスタンスは引き続き有効であると考えています。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルの下降トレンドも変わらず
ユーロ/米ドルのチャートからみていきます。
週足チャート(図表3)では終値が移動平均線を下回っての推移を続けており、下降トレンドが継続しています。米ドル/円同様にユーロ/米ドルのボラティリティも低いままで、どうも為替市場は蚊帳の外のような展開が続いています。デイトレーダーにとっては良いかもしれませんが、短中期の売買を中心とするスイングトレーダーにはトレードしにくい日々が続いています。引き続き拡散ウェッジ下側の青のラインをサポートに、緑のレジスタンスラインを上値抵抗として意識する流れとみていて良いでしょう。
日足チャート(図表4)では週足に引いたレジスタンスラインと、それに平行なラインで形成される下降チャンネルを一時的に下抜けましたが、まだチャンネル内での動きを続けているとみて良さそうです。
2本の移動平均線は6月12日にゴールデン・クロス(GC)に転じましたので、当面は緑のチャンネル上側のレジスタンスライン(現状1.16台後半を下降中)をターゲットとする展開にあるとみてよいでしょう。ただ値幅はあまり期待できない流れではあります。
ユーロ/円も基本的にはもみあい
ユーロ/円(図表5)は緩やかな上昇トレンドではあるものの、移動平均線に近い水準にある状況も変わらず、もみあい局面継続とみて良いでしょう。米ドル/円、ユーロ/米ドルともボラティリティが低いため、結果としてユーロ/円の動きが鈍くなることも当然と言えば当然です。今の動きからはかなり遠く感じますが、大きくは青の緩やかな平行上昇チャンネル内の動きです。
日足チャート(図表6)では目先の買い戻しの動きを反映して6月12日にゴールデン・クロス(GC)となりましたが、短期でみても明確な上昇トレンドにあるとは言えません。どちらかというと、5月安値と6月高値とのフィボナッチ・リトレースメントにおいて半値押し184.123から6月高値186.201の間でのもみあいとみていたほうが良さそうです。
米ドル/円、ユーロ/米ドル、ユーロ/円、どれも動きが鈍い地合いが続いていますが、そう考えると、掛け合わせの結果であるユーロ/円は、値動きの時間的なズレもあるため、一番動きやすいのかもしれません。
そろそろ動きが出て欲しいものです。今週も良いトレードを!
