東京市場まとめ

1.概況

日経平均は57円安の53,301円で反落して寄付きました。ファーストリテイリング(9983)など値嵩株売りが出て軟調な出だしとなるも、早々に上昇に転じるなど方向感の定まらない展開となりました。寄付き直後の9時2分には52,990円をつけこの日の安値を更新しました。その後は伸び悩み、前場は84円安の53,274円で取引を終えました。

後場は底堅い小動きで一進一退に推移する展開となりました。前半は前日終値である53,358円付近で推移し、中ごろは上げ幅を拡大しましたが、大引けにかけて失速、最終的には16円高の53,375円と小幅高で取引を終えました。

TOPIXは9ポイント高の3,545ポイントで反発、新興市場では東証グロース250指数が1ポイント高の705ポイントで4営業日ぶりに反発となりました。

2.個別銘柄等

アドバンテスト(6857)は一時14.5%高の29,250円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。28日、2026年3月期(今期)の当期純利益が、AI向け半導体需要が好調である事業環境を理由に前期比2倍となる3285億円を見込むと発表しました。従来予想から535億円の上方修正し、市場予想を上回る内容が評価され買いが優勢となりました。

住友金属鉱山(5713)は一時10.1%高の9,909円をつけ株式併合考慮後の上場来高値を更新しました。金の価格上昇が止まらず、金鉱山を保有し精錬事業を手掛ける同社の収益改善期待から買いが入りました。金価格の国際指標となるロンドン現物価格は28日の取引で前日比200ドルあまり上昇し、初めて1トロイオンス5400ドルを上回っています。

イオン(8267)は3.2%安の2,115円をつけ4日続落となりました。衆院選に関する各種情勢調査では、自民党が単独で過半数を確保する可能性が示されました。一方で恒久的な食料品消費税ゼロの実現を目指す中道改革連合は伸び悩んでおり、自民が単独過半数を獲得すれば消費減税の機運が下がる可能性が意識され、消費税減税を材料に堅調に推移していた小売セクターに売りが出ました。

野村不動産ホールディングス(3231)は3.0%安の1,004円をつけ反落となりました。28日、2026年3月期の第3四半期決算は、営業利益が前年同期比19%減の803億円と市場予想を下回り、これを嫌気した売りが出ました。市場では、一部に期待されていた自社株買いの発表もなかったことが売りにつながったとの見方もありました。

ソフト開発のエヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート(3850)は4.9%安の3,715円をつけ続落となりました。28日、2026年3月期(今期)の業績予想修正を発表し、当期純利益は前期比2.5倍の8億4000万円と従来予想の7億円から上方修正したものの、好業績は織り込まれていた面があったとみられ、当面の好材料出尽くしとの見方から売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は16円高の53,375円で小幅ながら4日続伸となりました。為替介入の警戒感などから上値の重い展開が続いています。一方で、決算銘柄への物色が続いており、明日も同様に好決算銘柄が相場を支える展開が見込まれます。

大引け後には、日立製作所(6501)、富士通(6702)、コナミグループ(9766)、キヤノン(7751)、オリエンタルランド(4661)、キーエンス(6861)、中外製薬(4519)が、米国ではアップル[AAPL]、ビザ[V]、マスターカード[MA]、ロッキード・マーチン[LMT]、キャタピラー[CAT]、アルトリア・グループ[MO]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)