トレンドラインを割り込んで下放れしそうな理由

高市政権と日経平均株価にピンチがやってきています。なぜなら、2025年10月4日に自民党総裁選に高市氏が勝利してから、ほぼ上回ったまま維持してきたトレンドラインを下回りそうになっているからです。その理由は円高です。

このコラムを執筆中の2026年1月28日午前8時現在、為替市場で米ドル/円がついに152円台をつける円高となり、この円高を嫌気した先物の下落が発生しています。1月23日に日銀金融政策決定会合の結果が現状維持と発表されたあと、159円台前半まで円安が進みました。

しかし、日米当局が為替介入の前段階とされるレートチェックを行ったと伝わったことが大きなインパクトとなり、その後は円が急上昇し、1日で3円超の円高に振れました。さらに、休み明けの今週(1月26日週)に入ってもその円高が止まらず、前述の通り1月28日の早朝には152円09銭をつける円高となりました。

こうした急激な円高を嫌気した売りが、輸出関連株を中心に出ることが予想され、トレンドラインを割り込む可能性が出てきていると考えられます。

円高が継続すると、輸出関連企業の業績への上振れ期待が後退か

仮にこのまま円高が続くようですと、輸出関連企業に対するこれまでの円安による業績の上振れ期待が後退するとともに、トレンドラインと接近する25日移動平均を下回ることが考えられ、警戒が必要になると思われます。

一方で、トレンドラインと25日移動平均線を割り込んだとしても、2025年12月18日前後のように、上向きの75日移動平均線に接近して下げ止まると、押し目買いのタイミングになることも考えられ、今後のトレンドラインの攻防から目が離せない状況と言えます。

モメンタムの0ライン割れに要注意

上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きに変化するとともに、モメンタムは1月27日の終値で、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っています。

こうした状況から、2本線が0ラインを下回って低下が続くようですと、下落の勢いが強まり、トレンドラインと25日移動平均線の両方を下回ることが考えられるため、要注意です。一方、2本線が0ラインを割り込んでも限定的だったり、上向きに変化して上昇したりするようですと、上昇の勢いが強まり、トレンドライン上を維持して高値を更新することも視野に入るのではないかと思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

いずれにしても、日経平均株価はテクニカル的には高市政権の象徴である上向きのトレンドラインを維持できるかどうかの瀬戸際に立たされているように見えることから、トレンドライン攻防の行方に要注目です。