先週(1月19日週)の振り返り=日米協調介入思惑浮上で円高へ急反転
日米の「レート・チェック」観測=155円台へ円高に
先週(1月19日週)の米ドル/円は158円前後での小動きが続いていましたが、金曜日の日銀金融政策決定会合を受けて、一時159円台まで円売り拡大となりました。ただそこで日本の通貨当局が為替市場に介入する前に行われることの多い、日銀の「レート・チェック」があったとして、米ドル/円は一時158円割れまで急反落となりました。
さらに、NY時間に入ると、NY連銀による「レート・チェック」の観測も流れ、日米協調米ドル売り介入への警戒感も浮上したことから、米ドル/円は155円台まで一段安となりました(図表1参照)。
このところ片山財務相を筆頭に円安へのけん制が強くなり、それを受けて円買い介入への警戒感も高まっていました。ついに円買い介入が行われ、しかもそれが2024年までの日本単独ではなく、日米協調介入となり円安を反転させることになるのでしょうか。
日本単独介入では困難になっていた円安阻止
日本の通貨当局は、2022年、2024年と断続的に円安を止めるための為替市場への介入を行いました。この介入に共通したのは、行われた日は基本的に最大5円近くと大きく円高に戻したということでした。
当時の円安は、短期売買を行う投機筋が主導したと見られました(図表2参照)。その投機筋が過大な円売りポジションを抱えていたなら、介入により短期的に最大5円も円高に動くと円売りポジションの損失が拡大する懸念があったでしょう。このため、損失拡大を回避する必要から投機筋が円買い戻しに転換し、それを受けて為替相場も円安が反転したということが基本だと考えられました。
ただ最近の場合、そうした投機円売り主導の円安とは違う可能性がありました。2024年までと異なり、日本の米ドル売り介入で円安を反転させられない懸念があったわけです。
日本の為替介入は、2022年以降円安が拡大する中で、それを止める「最後の砦」のようになってきましたが、そんな円安阻止の「最後の砦」といったこれまでの役割を今回も果たすことができるのか。それに失敗した場合、円安には歯止めがかからなくなる懸念もあり、一気に日米協調介入が検討されるところとなった可能性はあるでしょう。
1998年、前回の日米協調米ドル売り介入の教訓
前回の日米協調米ドル売り介入は、1998年6月に行われました。当時日本では大手の証券、銀行などの破綻が相次ぐなど経済危機の様相が広がっていました。こうした中で続いた円安は日本単独での為替介入でも止まらず、「最後の切り札」のような役割で期待されたのが日米協調米ドル売り介入だったのです。
これに対して、当時の米クリントン政権は、対中外交との兼ね合いからバーター取引として一度だけ日米協調の米ドル売り介入に応じました。ただ「お付き合い」の協調介入の効果は限られ、間もなく円安は再燃。円安がようやく終止符を打ったのは、「ヘッジファンド危機」が浮上、米国株が急落する中でFRB(米連邦準備制度理事会)が緊急利下げに転換し、米ドルが急落するといった米ドルの「自滅」によるところだったのです。
以上を参考にすると、今回日米協調米ドル売り介入となった場合でも、それで円安が止まるかは米国の米ドル売り介入が本格的に行われるかが問われる可能性があるでしょう。ただ、最近にかけて「米ドル離れ」として円以外の通貨に対しては米ドル安が広がっていることから、米国の米ドル売り介入本格化は米ドル暴落を招くリスクも考えられるため、米国がどこまで円安阻止に協力するかはまだ見極めが難しいところではないでしょうか。
今週(1月26日週)の注目点=FRB独立性の問題や日米協調介入
FOMCは利下げ見送りの可能性=中央銀行の独立性懸念くすぶる
今週は1月28日(水)にカナダと米国、そして1月29日(木)には南アフリカ、ブラジルといった新興国の金融政策発表が予定されています。米国の金融政策は日本時間の1月29日(木)未明に発表予定です。FOMC(米連邦公開市場委員会)は、過去3回連続で利下げを行いましたが、今回は利下げ見送りがほぼ確実視されています。
FOMC終了後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見が予定されています。改めて中央銀行の独立性への懸念が再燃していることから、そうしたことへの発言が注目されるでしょう。
テクニカルには円安一服=今週(1月26日週)の米ドル/円予想は153~158円
先週(1月19日週)は、日銀イベントを手掛かりに円売りトライ、一時159円台となったものの、日米協調による円安阻止介入への警戒などを主な理由として、その後は円高に急反転するところとなりました。
これにより、2025年10月の高市政権誕生を前後して広がった米ドル高・円安のトレンドを割れたようにもみえることから、テクニカル的には米ドル高・円安一服の可能性も出てきました(図表3参照)。
以上から、目先的には米ドル反落リスクを試し、上値の重い展開が続く可能性が高いのではないでしょうか。今週(1月26日週)の米ドル/円は153~158円で予想します。
