先週(2月16日週)の振り返り=前週(2月9日週)から一転、155円台まで円安に戻す展開

日米金利差拡大に沿って米ドル高・円安へ戻す

米ドル/円は、衆院選後に大きく円高に反転しましたが、先週(2月16日週)は一転して円安に戻す展開となりました。米ドル/円は、週初は152円で取引が始まったものの、一時155円台半ばまで米ドル高・円安に戻しました(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円の日足チャート(2025年11月~)
出所:マネックストレーダーFX

このような先週(2月16日週)に米ドル高・円安に戻した動きは、基本的に日米金利差拡大に連動したものでした(図表2参照)。先週は、米経済指標発表や公表された1月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を受けて米早期利下げ期待が後退した一方で、日本では逆に経済指標発表などを受けて早期利上げ期待が後退しました。その結果、日米金利差は拡大し、それが米ドル高・円安へ戻す手掛かりになったということでしょう。では、衆院選後の円高はすでに152円で終わり、再び160円を目指す円安に向かうのでしょうか。

【図表2】米ドル/円と日米2年債利回り差(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

衆院選後の「財政懸念の円売り」一服は続く=金利差拡大の円安は限られそう

衆院選後の円高への反転は、それまで円安を主導したと見られた日本の債券相場の下落、とくに超長期債相場が下落から反発に転じた影響が大きかったと考えられました(図表3参照)。いわゆる「日本の財政懸念の円売り」の反転ということです。そうした中で、米ドル/円は日米金利差との相関関係を取り戻したと考えられました。

【図表3】米ドル/円と日本の30年物国債価格(2025年9月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

以上のようにみると、円安が本格的に再燃するかは、日本の財政リスクを警戒した債券、とくに超長期債券の下落の再燃が目安になるのではないでしょうか。その超長期債、たとえば30年物国債価格は先週も反発傾向が続きました。このように、「財政懸念の円売り」一服が続く中では、円安再燃も自ずと限られるでしょう。

先週は日米金利差が拡大しましたが、日本の利上げ、米国の利下げといった逆方向の金融政策が続く見通しの中では縮小方向の見通しが基本であり、それがもたらす米ドル高・円安も限られ、むしろ米ドル安・円高要因となる可能性が高い状況に変わりないのではないでしょうか。

今週(2月23日週)の注目点=トランプ関税「違憲」は米国債・米ドル売り要因

関税収入還付に注目=「米ドル離れ」が拡大するか

2月20日、注目されてきたトランプ関税に対する最高裁判決が「違憲」という結果で発表されました。これに対して為替相場は瞬間的に米ドルの下落で反応したものの、株高や米金利上昇となる中、その後は米ドルも小反発しました。トランプ米大統領の肝いり政策である関税が違憲と判断されたことが、今後米ドルにどのように影響するかは要注意でしょう。

今回の決定を受けてまず注目されるのは、1000~2000億米ドルとされる関税収入の還付の行方でしょう。それは税収減への懸念から基本的に米国債売り、米ドル売り要因になりそうです。

これまでも、トランプ政権の国際秩序を無視した行動を受けて、米国への信頼感の低下により「米ドル離れ」が指摘されていました。たとえばCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルで試算)は、2月17日時点で売り越しが21万枚まで拡大しました(図表4参照)。

【図表4】CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション(2000年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

経験的には、米ドル「売られ過ぎ」懸念も強まってきましたが、トランプ米大統領の肝いり政策である関税政策が見直しを迫られたことで、「米ドル離れ」が一段と広がる可能性も注目されるのではないでしょうか。

今週(2月23日週)の米ドル/円は152~157円で予想

今週は2月24日にトランプ米大統領の一般教書演説が予定されており、今回のトランプ関税を「違憲」とする判断の影響が注目されそうです。また米経済指標では2月27日に1月PPI(生産者物価指数)の発表が予定されています。

「財政懸念による円売り」一服が続く中では、先週(2月16日週)のような日米金利差拡大を受けた米ドル高・円安にもおのずと限度がありそうです。加えて、今回のトランプ関税を「違憲」とする判断が米ドル売り要因となる可能性も出てきました。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は152~157円で予想したいと思います。