東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場で主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は106円高の50,450円で、反発して寄付きました。堅調な出だしとなった日経平均は、9時11分に50,510円をつけ、本日の高値を更新しました。

高値をつけた後は伸び悩み、前引け間際には下落に転じる場面もみられましたが、午前の取引は5円高の50,349円で終えました。

後場は方向感に欠ける展開となり、前日終値(50,344円)を挟んで一進一退の推移となりました。14時00分には60円安の50,283円をつけ本日の安値を更新したものの、終盤にかけて再び上昇に転じ、最終的には63円高の50,407円と反発して取引を終えました。

TOPIXは10ポイント高の3,417ポイントで反発、新興市場の東証グロース250指数は12ポイント高の676ポイントと、3日続伸で取引を終えました。

2.個別銘柄等

キオクシアホールディングス(285A)は1.8%高の10,795円をつけ、続伸となりました。台湾メディアの「デジタイムズ」が、需給逼迫を背景に『韓国のサムスン電子とSKハイニックスが2026年納入分のAI向けHBM(広帯域メモリー)の契約価格を2割ほど引き上げた』と報じました。メモリー需要の強さが改めて意識され、同社の収益への貢献期待から買いが入りました。

ハイデイ日高(7611)は2.0%高の3,510円をつけ、反発となりました。日本経済新聞が、同社の『2025年3-11月期の単独営業利益は50億円前後だったようだ』と報じ、堅調な業績が好感されました。報道通りであれば前年同期比で2割強の伸びとなり、同期間として過去最高を更新する見込みです。

U-NEXT HOLDINGS(9418)は3.0%高の2,009円で取引を終えました。24日、カラオケ機器「JOYSOUND」を展開するエクシングの株式70%を取得し、連結子会社化する方針を発表しました。コンテンツの拡充による将来的な業績拡大を期待した買いが優勢となりました。

アニコム ホールディングス(8715)は一時5.8%高の1,021円をつけ、年初来高値を更新しました。24日、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツによる同社株の買い増しが判明し、株主還元強化につながる提案がでてくることへの期待感から、思惑買いが入りました。

小型衛星開発のSynspective(290A)は14.3%安の1,154円をつけ、5日ぶりの大幅反落となりました。25日の寄付き前、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を落札したと発表しましたが、落札期待で前日まで株価が大きく上昇していたため、発表を受けて利益確定売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均、TOPIXともに反発となりました。海外勢がクリスマス休暇で不在のため市場参加者が限られ、後場は極めて動意の乏しい展開となりました。なお、日中に行われた経団連の審議員会での植田日銀総裁の講演では、目新しい材料もなかったことで市場への影響は限定的でした。

今晩の米国市場はクリスマスのため休場となります。明日の材料としては、国内で12月の東京CPI(消費者物価指数)や11月の鉱工業生産指数といった重要指標の発表が予定されています。また、個別では本日の大引け後にクスリのアオキホールディングス(3549)や象印マホービン(7965)の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)