【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 48,731.16  △288.75 (12/24)
NASDAQ: 23,613.31  △51.46 (12/24)

1.概況

米国市場は主要3指数が揃って5日続伸しました。クリスマスイブによる短縮取引の中、一貫して堅調な推移となりました。市場では、機関投資家が運用成績を良く見せるために期末に行う「お化粧買い(ドレッシング買い)」が入ったとの見方も聞かれました。

ダウ平均は小幅安で取引を開始したものの、早々に反転し、その後は右肩上がりで上げ幅を拡大しました。目立った材料に乏しい中で幅広いセクターに買いが入り、最終的には288ドル高の48,731ドルをつけ、史上最高値を更新して取引を終えました。

S&P500株価指数も22ポイント高の6,932ポイントとなり、連日で史上最高値を更新し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は51ポイント高の23,613ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

新規失業保険申請件数は21.4万件となり、市場予想(22.2万件)を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上昇しました。生活必需品が0.8%高でセクターの上昇率トップとなったほか、不動産や公益事業などディフェンシブセクターへの買いが目立ちました。一方、エネルギーのみが下落し、0.3%安となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上昇しました。決算発表以降の下げが目立っていたナイキ[NKE]は、アップル[AAPL]のティム・クックCEOによる同社株の追加購入が明らかになり、4.7%高と急反発しました。そのほか、メルク[MRK]が1.3%高、ウォルト・ディズニー[DIS]が1.1%高となりました。下落は2銘柄に留まり、エヌビディア[NVDA]が0.3%安、シェブロン[CVX]が0.1%未満の小幅安となりました。シスコシステムズ[CSCO]は前日終値と変わらずで取引を終えました。

ダウ平均構成銘柄以外では、インテル[INTC]が0.5%安となりました。エヌビディアが、「18A」とインテルが呼ぶ次世代半導体製造技術を利用した生産計画を中止したとの報道が嫌気されました。また、テスラ[TSLA]は、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が主力の小型車「モデル3」の安全性に関する調査を開始したと伝わり、0.1%未満下落しました。そのほか、マイクロン・テクノロジー[MU]が3.8%高、小売のターゲット[TGT]が2.4%高、ソフトウェアのデータドッグ[DDOG]が2.3%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日比0.03%低い4.13%となりました。25日朝のドル円は155円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

短縮取引の米国市場は「クリスマスラリー」の様相を呈し、ダウ平均とS&P500が揃って最高値を更新しました。この良好な外部環境を受け、本日の日本市場も買いが優勢のスタートが見込まれます。

日中の注目は、植田日銀総裁による日本経済団体連合会(経団連)審議員会での講演です。先週の追加利上げ決定後の初の公の場での発言となるため、先行きの金融政策運営や景気認識について踏み込んだ言及があるか、市場の関心が集まっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)