モトリーフール米国本社– 2025年11月30日 投稿記事より
需要のある製品を持つ優良企業への長期投資が勝ち筋となる可能性
市場のタイミングを正確に見極めることに成功した投資家は多くないのですが、長期保有戦略は、長い目で見れば良い結果につながる傾向があります。重要なのは、経営が健全で魅力的な製品を手掛ける優良企業を選ぶことでしょう。ヘルスケア分野には魅力的な選択肢が多いものの、留意すべき点もあります。現在のトップ企業が必ずしも最良の投資先とは限らない場合があります。
このレポートでは、インテュイティブ・サージカル[ISRG]がメドトロニック[MDT]を輝かせ、イーライ・リリー[LLY]がファイザー[PFE]の可能性を示唆し、そして保守的な投資家にとってジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が長期的に魅力的な投資先になり得る理由を解説していきます。
手術支援ロボットの需要は旺盛
2025年第3四半期に、インテュイティブ・サージカルの手術支援ロボットの設置台数は13%増加し、これらのロボットを用いた手術件数は20%増加しました。同社の収益の約75%はこれらのロボット向けの器具・部品やアフターサービスがもたらしています。これは、年金のように安定した収益を生む医療機器ビジネスであり、大きな成長機会となっています。残念なのは、本稿執筆時点の株価収益率(PER)が74倍と非常に高い点です。
競合するメドトロニックのPERは28倍と、インテュイティブ・サージカルの半分以下です。とはいえ、手術支援ロボットはメドトロニックにとって比較的新しい製品であり、インテュイティブ・サージカルに追いつくにはまだ課題があります。また、こうしたロボットは、多角化が進んでいるメドトロニックが展開する多様な医療機器の一部にすぎません。しかし、インテュイティブ・サージカルの成長を支えている「好循環ビジネスモデル」は、メドトロニックでも再現されつつあります。これは、メドトロニックが最も収益性の高い製品に集中して事業の効率化を進める中で、成長を後押しする可能性があります。
メドトロニックには48年連続で増配してきた実績があり、同社の成功の証となっています。もちろん、割高な手術支援ロボットのトップ企業(インテュイティブ・サージカル)に投資するという選択肢もあります。しかし、長期投資を想定するなら、メドトロニックの将来有望な手術支援ロボットの方が、より良い選択肢となる可能性があります。インテュイティブ・サージカルが無配であるのに対し、メドトロニック株を保有することで魅力的な2.7%の配当利回りも得られます。
肥満治療薬の成功が、他社の成長機会を示唆
イーライ・リリーのGLP-1受容体作動薬である「マンジャロ(糖尿病治療薬)」と「ゼプバウンド(肥満症治療薬)」は、2025年第3四半期には売上の50%強を占め、大きな収益源となりました。この成功を受けて投資家は買いを強め、株価は急騰しました。ただし、本稿執筆時点のPERは53倍と割高です。今後も株価が上昇を続けるには、多くの課題を克服する必要があります。
一方、ファイザーのPERは15倍前後であり、投資家の期待が非常に低いことを示しています。公平に言えば、投資家がファイザーの現状に懸念材料があるのも事実です。複数の主力医薬品がまもなく特許切れを迎えようとしており、いわゆる「特許の崖」が迫っており、パイプラインにもやや弱さがあります。配当投資家は6.8%の高配当利回りが得られるものの、配当性向は100%を超えています。
しかし、ファイザーは、手をこまねいているわけではありません。製薬会社に共通する成功戦略を進めているのです。競合する肥満症治療薬のスタートアップ企業、メッツェラを買収しました。これにより、特に肥満症治療薬分野で魅力的なメッツェラの新薬パイプラインを獲得しました。この買収をめぐっては競り合いも発生しましたが、最終的にはファイザーが勝ち取りました。これは同社の実力を示す証拠です。現在の株式市場では評価が低いものの、長期投資家はこの業界で生き残ってきたファイザーにもっと注目しても良いでしょう。イーライ・リリーが常に業界のリーダーであり続けるとは限らず、ファイザーが次のトップを狙う存在になる可能性も十分にあります。
安全性が高い「配当王」への投資
メドトロニックとファイザーはいずれも数十年単位の投資として考えるのであれば、上手くいく可能性が高い割安株でしょう。しかし、不人気株が持つ不確実性を避けたい場合は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)がその解決策となるかもしれません。
J&Jとして知られる同社は、医薬品と医療機器の両方を手掛けています。どちらの分野でも同社はトップクラスの存在であり、どちらにも大きな成長機会があります。
特に注目すべきことは、J&Jが長期にわたり極めて安定した業績を維持してきた点です。その証拠が「配当王」としての地位であり、50年超にわたり連続増配を続けてきたという実績があります。本稿執筆時点の配当利回りは、S&P500指数の利回りの2倍を超える2.5%です。
本稿執筆時点でJ&JのPERは20倍と、比較的低水準にあります。これはファイザーよりは高いもののインテュイティブ・サージカル、メドトロニック、イーライ・リリーより大幅に低くなっています。J&Jは事業を多角化しているため、メドトロニックやファイザーほどの上値余地はないかもしれませんが、長期保有の投資家にとってより安定した選択肢となることが示唆されています。
人気のある銘柄が、必ずしも最適な選択肢とは限らない
インテュイティブ・サージカルとイーライ・リリーは現在、投資家の注目を浴びていますが、それには正当な理由があります。しかし、両社が常に注目され続けるわけではありません。そのため、そうした銘柄にプレミアム価格を支払うことは、長期的には最善の選択とは限らないのです。
長期保有を考えるのであれば、医療機器分野ではメドトロニック、製薬分野ではファイザーがより望ましい選択肢と言えるでしょう。より幅広い事業分野への投資を望むなら、J&Jは両分野の大手企業であり、長年にわたり信頼できる配当株だと考えられます。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Reuben Gregg Brewerはメドトロニックの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、インテュイティブ・サージカルとファイザーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンとメドトロニックを推奨し、次のオプションを推奨しています。メドトロニックの2026年1月限月行使価格75ドルコールオプションのロング、メドトロニックの2026年1月限月行使価格85ドルプットオプションのショート。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。
