現在のファンダメンタルズ:介入警戒感はあるものの160円までは安心感も
先週(11月17日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 154.386円~157.892円 156.347円
・ユーロ/米ドル:1.14912ドル~1.16244ドル 1.15154ドル
・ユーロ/円: 179.262円~182.001円 180.056円
先週(11月17日週)の米ドル/円:米政府機関の再開期待で一時155円台乗せも反落
先週(11月17日週)の米ドル/円は、週初は緩やかに米ドル高が進む流れでした。背景としては複数のFRB(米連邦準備制度理事会)関係者が12月の追加利下げに対して慎重な発言をしたことです。FF先物から算出される利下げ織り込み度も低下し、現状維持の見方が増えてきました。
そして11月19日の欧州市場以降は円安の動きも強まりました。これは片山財務相と植田日銀総裁との会談で円安について特にテーマとならなかったことが影響しました。さらにNY市場で公表された10月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で、12月利下げに対して多くのメンバーが適切ではない可能性が高いと考えていることが判明し、米ドル/円は157円台前半まで上昇しました。
11月20日には円安ペースは弱まったものの円売りの流れは続き、NY市場前場には一時157.892円と158円近くまで円安が進行。ここが週間高値となりました。その後引けにかけては小緩み。11月21日にはNY連銀総裁が短期的な利下げの余地はまだあると表明したことで、12月FOMCでの利下げに改めて警戒感が広がり、米ドル/円は週末大引にかけて156.191円まで押し156円台前半で引けました。
NY連銀総裁の発言に加え、増日銀審議委員が「利上げ判断が近づいている」と発言したことで、日本の1月利上げの可能性も高まっています。12月FOMCでの利下げ織り込み度が69%まで上昇してきていることと併せて考えると、短期的には先週(11月17日週)の157円台後半がいったん円安のピークとなったと見てもよさそうです。
先週(11月17日週)のユーロ/米ドル:ユーロ/円も短期的な高値をつけ調整へ
先週(11月17日週)のユーロ/米ドルは、週前半は米ドル/円とともに米ドル高の動きから緩やかなユーロ安の動きとなりました。週半ば以降は米ドル/円とともにユーロ/円も上昇しましたが、円安の動きが強い故の米ドル買いからユーロ/米ドルはその後も上値が重く11月21日には安値1.14912ドルと1.15ドルの大台割れを見ています。
またユーロ/円は米ドル/円が高値をつけたタイミングで182.001円へと史上最高値を更新しましたが、週末に向けては米ドル/円での調整が入ったことから180円の大台間近まで水準を下げての週末クローズとなりました。
米ドル/円チャート(週足)、円安進行後の調整が続くか
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
週足チャート(図表1)では、黄色いライン(長期)で示される平行上昇チャンネルを上抜けての引けとなりましたが、11月20日に目先の高値をつけた可能性が高く、短期的には調整が続きやすいとみています。12月FOMCに向けて現状維持派と利下げ派とがFRB内でも分かれていることから、11月末から12月初めにかけては市場参加者の思惑がどう動いていくのかが最大の材料となります。
ただ、雇用統計もCPIもFOMC後の発表となっていることから、FRBも判断材料不足でどうなるのか現時点では不透明としか言えません。また片山財務相が介入という単語を使ってようやくそれらしい円安けん制発言をしたことから、今週(11月25日週)は材料的にも調整の週になりやすいと言えるでしょう。
米ドル/円チャート(日足)、11月11日のゴールデン・クロス状態が続く
短期的な判断は日足で行います。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
米ドル/円は11月11日のゴールデン・クロス状態が続いています。先週(11月17日週)も円安が続いたことによるものですが、11月20日以降は下げに転じていることから、今週(11月25日週)はどこかでデッド・クロスに転じる可能性があります。
また日足チャートには、より短期の青の上昇ウェッジを引いてありますが、11月19日の大陽線で上抜けたため、現状では上側のライン(155.90円水準)が最初のサポートとなります。ただ、近すぎることや今後上昇していくことを考えると本来のサポートライン=下側のライン(154.90円水準)をサポートと見てよいでしょう。
今週(11月25日週)は大台155円をサポートに157.50円レベルをレジスタンスとする週を見ておきますが、今後改めて円安が進む場合には上側のラインは平行上昇チャンネル(緑のライン)として見ていく方が良さそうではあります。
ユーロ/米ドルは下降トレンドに回帰
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)は青の平行下降チャンネルを一時的に上抜ける動きが見られたため、年初来高値ではなく翌週高値からのレジスタンスラインとそれに平行なラインとで新たな平行下降チャンネルを引いてみました。ユーロ/米ドルのレンジは比較的狭いので今週以降はどちらかに抜けるまでこのチャンネルを基準に考えてみます。ここ1ヶ月ほど移動平均線で上値を抑えられる動きが続いているため下降トレンドに回帰したと見てよいでしょう。
日足チャート(図表4)で見ると週足で新たに引き直した青の平行下降チャンネルはしばらくワークしそうにみえます。ただ2本の移動平均線は11月19日にデッド・クロスとなり目先は下げが先行、緑のサポートライン(現状1.14ドル台後半)で下げ止まるかどうかを確認する週となります。ここを下抜けると11月5日安値1.14686ドルをトライする流れとなりそうです。下げ止まれば目先は調整入りとなりやすい地合いです。
ユーロ/円は史上最高値を更新も目先の高値は見たか
ユーロ/円です。
ユーロ/円(図表5)は史上最高値を182円台にまで広げてきましたが、米ドル/円での調整もあり、目先の高値を見た可能性が高まっています。それでも長期上昇トレンドが継続中であり、ドイツマルク/円を換算したユーロ/円のターゲットでは188円台前半という数字もありますので、ショートには注意でしょう。また上昇ウェッジは平行上昇チャンネルへ変更しました。
日足チャート(図表6)では11月7日のゴールデン・クロス状態が続き182円台を見ましたが、米ドル/円での調整が入っていること、ユーロ/円のテクニカルなターゲット(フィボナッチ・エクスパンション127.2%が182.026円)とターゲットをほぼ達成したことを考えると、今週(11月25日週)はどこかで一度デッド・クロスを挟む可能性があります。週足チャートでショートに注意と書きましたが、ごく短期目線では日足でのデッド・クロスはチャンスとなりそうです。手堅く狙うなら、その次のゴールデン・クロスでしょうか。
それでは今週も良いトレードを!
