今週の注目はエヌビディアの決算と米雇用統計
AIバブルへの懸念から株式相場は調整局面が続いている。その観点から今週のハイライトは19日に発表されるエヌビディア[NVDA]の2025年8-10月期決算だ。市場の予想では前年同月比5割以上の増収増益だが、それに市場がどのように反応するか。もちろん極めて高い伸び率だが、過去に比べれば伸び率は鈍化している(くどいが、それでも驚くべき高い伸びであるのは言うまでもない)。事前に株価がだいぶ調整しているので、素直に好業績に反応して株価復調のきっかけとなってくれることを願う市場参加者は多いだろう。しっかりと見守りたい。
もうひとつの注目点はエヌビディアの決算の翌日、20日に発表される9月の米雇用統計だ。本来は10月3日に発表される予定であったが米政府機関閉鎖で発表が遅れ、ようやくいまになって出てくるものだ。経済指標が発表されないことでFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが不透明になっていることも米国株の調整要因だけに、雇用統計の発表で再び利下げの機運が高まるかどうか注目だ。それに関連して10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨やFRB高官の発言機会も多くある。今週はFRBの金融政策に関するスタンスを巡って市場関係者の思惑が交錯する一週間となりそうだ。
日銀の利上げが遠のくか。円安加速にも注意
国内では決算発表も佳境を過ぎた。土曜日の日経が1面で決算の集計結果を伝えていたが、2025年4-9月期の純利益は前年同期から7%増え、5%減の事前予想から一転して最高益となるという。通期では依然として減益予想だが、減益幅は改善している。最終的には上方修正がさらに進んで今年度も増益で着地する可能性も出てきた。
国内の主な材料は本日17日に発表される7-9月期のGDP速報値と21日の消費者物価指数だ。いずれも日銀の金融政策を占う材料だが、GDPは大幅マイナスの予想で日銀の利上げはさらに遠のきそうだ。その場合、円安の加速と当局からのけん制発言に注意したい。
予想レンジは4万9500-5万1000円とする。
