今週は首相指名選挙、日本維新の会との関係がどうなるかが焦点
先週米国市場で急遽浮上した金融不安は早くも下火になったようだ。週明けの東京市場で日経平均は大幅反発で始まるだろう。
今週の焦点は臨時国会が召集される21日に行われる首相指名選挙だ。カギを握るのが野党との連携で、特に日本維新の会との関係がどうなるか。本稿執筆現在では、自民党が連立入りを含めた日本維新の会との政策協議を巡り、維新が実現を求めている議員定数削減を受け入れる方針を固めたと報じられている。維新は、自民と合意すれば自民・高市早苗総裁に投票する考えを示しており、高市氏が首相に選出される公算が高まっている。
市場の声を拾うと、高市首相の誕生を見込んだ「高市トレード」はすでに一巡、あるいは仮に自民・維新の連立政権が樹立しても反応は限定的とする見方が多いようだ。いわゆる「噂で買って事実売る」というような材料出尽くしの反応が予想されている。
しかし、そうならないケースも相場では往々にしてよく起きる。高市氏が勝って史上初の女性総理大臣誕生となれば、それは「ご祝儀相場」を越えたポジティブなインパクトがあるだろう。
9月の全国消費者物価指数(CPI)が最重要指数
日銀・執行部メンバーの発言機会にも注目が集まる。20日には高田創審議委員、21日には氷見野良三副総裁が講演する。これらに先立ち、植田総裁はG20財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に開いた会見で、29-30日に開く金融政策決定会合に向け「もう少し情報収集にあたり、10月末にかけて出てくるデータあるいは情報を加味」したうえで政策を判断すると述べた。
その意味では24日発表の9月の全国消費者物価指数(CPI)が非常に重要である。8月の実績はエネルギー価格の下落率が拡大し、食料の上昇率が鈍化した。食料価格の上昇率鈍化は9月も続くと予想されている。予想通りならインフレの落ち着きを反映して日銀の早期利上げ観測も後退するだろう。
ちなみに、もともと15日に発表予定が延期された米国の9月の消費者物価指数(CPI)は24日午前8時半(日本時間同午後9時半)に公表されることになった。
日米企業の決算発表が本格化
今週は米国企業の決算発表が本格化するが、日本でも週末には信越化学や中外製薬が決算を発表し、いよいよ中間決算発表シーズンが始まる。政治に振り回される相場も今週でいったん一区切りをつけ、来週からは業績などファンダメンタルズに目が向かう展開になっていくだろう。
予想レンジは4万7500円-4万9000円とする。
