【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 46,067.58  △587.98 (10/13)
NASDAQ: 22,694.61  △490.18 (10/13)

1.概況

先週末10日の米国市場は主要3指数が揃って大幅下落となりました。トランプ大統領の対中関税引き上げ発言を受けて米中関係悪化への警戒が広がり、朝方の上昇から一転して終盤にかけて下げ幅を拡大する展開となりました。

ダウ平均は878ドル安の45,479ドルで5日続落し、約1ヶ月ぶりの安値で取引を終えました。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は820ポイント安の22,204ポイント、S&P500株価指数も182ポイント安の6,552ポイントで続落しました。

前日の米国市場は一転して主要3指数が揃って反発しました。先週末の急落要因となった対中関税について、トランプ米大統領は12日、自身のSNSに「中国については心配いらない。すべてうまくいく」と投稿したことで、安心感が株式市場に広がりました。

ダウ平均は、米中の貿易摩擦に対する警戒が一服し、主力株を買い直す動きが出たことで、587ドル高の46,067ドルと6日ぶりに反発となりました。ナスダック総合株価指数は、490ポイント高の22,694ポイント、S&P500株価指数も102ポイント高の6,654ポイントで反発し取引を終えました。

2.経済指標等

主な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。情報技術が2.5%高でセクターの上昇率トップとなりました。一般消費財・サービスが2.3%高で続き、4セクターが1%台の上昇となりました。一方で、生活必需品とヘルスケアが1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上昇しました。中でもナイキ[NKE]3.3%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。その他ゴールドマン・サックス[GS]など計8銘柄が2%以上の上昇となり、アマゾン・ドットコム[AMZN]などが1%台の上昇となりました。一方で8銘柄が下落し、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が1.5%安となりました。そのほか7銘柄は1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のブロードコム[AVGO]はチャットGPTのオープンAIとAI向け半導体の共同開発をすると伝わったことが好感され、9.9%高となりました。今週に決算発表を控える大手米銀には先回りの買いが入ったことで、バンク・オブ・アメリカ[BAC]は0.4%高となりました。カジノ運営のラスベガス・サンズ[LVS]はマカオにおけるカジノ業界関連のデータがさえなかったことが響き、6.3%安となりました。

5.為替・金利等

米国債券市場はコロンブス・デーのため休場でした。14日朝のドル円は152円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本の祝日を挟んだ週末にかけて、米国市場は乱高下する展開となりました。トランプ大統領が自身のSNSで対中貿易懸念の鎮静化を図るなど、典型的なTACOトレードのように思われます。

一方で、本日の日本市場は、米中の不透明感を嫌気した売りや、公明党の連立離脱や野党連携の可能性など国内の政治リスクもあって軟調な展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)