東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って下落した流れを引き継ぎ、日経平均は150円安の44,751円と反落で寄付きました。下落基調で取引を開始した日経平均は9時19分に290円安の44,612円を付け、本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、前場中ごろには上昇に転じると後半は堅調な推移となり、一時は節目の45,000円を上回る場面も見られましたが、93円高の44,995円で前引けとなりました。
後場寄付きは小幅高での推移となるも、45,000円付近では利益確定の売りが出たほか、日本時間18日未明に結果が公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に持ち高調整の売りも出たことで、中ごろから大引けにかけては弱含み、最終的には111円安の44,790円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が反落、0.3%安で取引を終えました。
2.個別銘柄等
東京エレクトロン(8035)は5.4%高の24,250円を付け、9日続伸となりました。16日の米株式市場では、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ[AMAT]など半導体関連に買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.31%高と9日続伸となった流れを引き継ぎ、日本市場の半導体関連銘柄も買いが優勢となりました。
電子部品のTDK(6762)は3.5%高の2,092.5円を付け続伸となりました。外資系証券が16日付のリポートで同社の目標株価を2,100円から2,600円に引き上げたほか、最も買いを推奨する「トップピック」の銘柄に挙げたことが材料視され、買いが入りました。
自動車部品のデンソー(6902)は0.6%安の2,160.5円をつけ反落となりました。米商務省が今後数週間以内に米国に輸入される自動車部品に対し新たな関税を課す可能性について検討すると発表しており、米国向けに輸出する自動車部品の関税が再び引き上げられる懸念から、関連銘柄に売りが出ました。アイシン(7259)は1.8%安、NOK(7240)は1.1%安で取引を終えました。
カルビー(2229)は8.4%高の3,004円を付け続伸となりました。アクティビストとして知られる香港のオアシス・マネジメントが、同社株を9日時点で5.98%保有していることが明らかとなり、今後の株主還元の強化などを見込んだ思惑的な買いが株価を押し上げました。
養殖漁業の専門商社であるヨンキュウ(9955)は一時8.6%高の2,866円を付け、年初来高値を更新しました。ウナギのふ化仔魚(しぎょ)を稚魚であるシラスウナギまで育てることに成功したと発表し、将来的な収益拡大に期待した買いが集まりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は5日ぶりに反落となる44,790円で取引を終えました。明日は、やはりFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果に注目が集まります。0.25%の利下げはほぼ織り込まれている中で、市場の注目点は、FOMCメンバーの先行きの金利予測(ドットチャート)で、向こう1年間でどの程度の利下げを見込んでいるかが焦点となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
