日米金融政策がチャートに与える影響と注目ポイント
今週(9月15日週)は日米の金融政策の結果に注目が集まっています。FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げを実施するとの見方が市場のコンセンサスとなっていますが、利下げが実施された場合の株価への影響はどのように考えれば良いのでしょうか。
9月16日までの日経平均の値動きをもとに考えてみたいと思います。16日の株価はすべての移動平均線を上回るとともに、過去最高値を4日連続で更新して終えています。また、すべての移動平均線が上向きになっており、上昇トレンドが継続中です。
では、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合の結果を受け、どのような変化に注意する必要があるのでしょうか。上昇トレンドが継続中で高値更新も続いている状況ですから、最も注意したいのは天井の形成とトレンド転換ではないでしょうか。
そこで、どのような形になれば天井を形成することになるのか、まずは移動平均線で確認します。移動平均線から見た天井の形成とは、株価が移動平均線を下回るとともに、5日移動平均線が下向きに変化することです。
したがって、株価が高値を更新できなくなるとともに、5日移動平均線を下回り、5日移動平均線も下向きに変化して上値の抵抗になると、一旦天井をつけたことになります。
FOMCで利下げが実施されたり、日銀金融政策決定会合で利上げが見送られたりした場合でも、日経平均が移動平均線を下回るとともに、移動平均線が下向きに変化したときは、天井の形成に注意が必要だということを覚えておきましょう。
ただし、5日移動平均線を割り込んで戻せなくなった場合でも、上向きの25日移動平均線上で下げ止まるようだと、中長期の上昇トレンドに変化はないと考えられます。その後、下げ止まって反発する場合は押し目買いのタイミングになる可能性があり、チャンスを逃さないようにしたいところです。
モメンタムに対する警戒はまだ残っている
上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上昇しているのが分かります。また、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っています。こうした状況から、上昇の勢いが強まっていると言えますが、このモメンタムのなかに、実は警戒しなければならないサインが隠れているのです。それは、以前指摘した「逆行現象」です。
逆行現象とは、株価が高値を更新しているにも関わらず、モメンタムの水準が前の高い水準に届かず右肩下がりになるもので、上昇の勢いがピークアウトしていることを示すサインになります。
実際に日経平均のモメンタムを見ますと、逆行現象は発生していないものの、直近の高い水準には届いておらず、下向きに変化した場合、逆行現象の発生に注意が必要です。したがって、株価は高値を更新しているものの、モメンタムの逆行現象が発生して低下するようであれば、上昇の勢いが弱まり5日移動平均線を下回ることも考えられます。
また、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、低下して0ラインに接近したり、割り込んだりするようであれば、上昇の勢いがなくなり、下落の勢いが強まって25日移動平均線を割り込むことも視野に入るため注意が必要となります。果たしてFOMCと日銀金融政策決定会合後にチャートの変化が起こるのでしょうか。チェックしながら売買判断に役立てたいところです。
