今週(9月5日~9月11日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国の利下げ観測や政策期待を背景に堅調推移
ビットコインは、米国の利下げ観測や政策期待を背景に、米国株とともに堅調に推移した。
米雇用統計が前回に続いて弱い結果となり、利下げ期待と景気後退懸念が交錯する中、一時は乱高下する展開となった。さらに、ブロックチェーン関連の主要オープンソースライブラリに脆弱性が発覚したことも投資家心理を悪化させた。
しかし、米国のSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)が暗号資産関連の共同会議を月末に開催すると発表。加えて、米歳出法案の中で財務省に対しビットコイン準備金に関する報告が義務付けられたこともあり、制度面の進展への期待が高まる中でBTC=110,000ドル(約1,622万円)付近では底堅く推移した。国内でもメタプラネット(3350)やコンヴァノ(6574)による追加購入が継続して発表された。
その後、8月の米生産者物価指数(PPI)がインフレ鈍化を示唆したことで利下げ観測が一段と強まった。これを受け、米国株が連日で史上最高値を更新し、ビットコインも連動して上昇した。さらに、ホワイトハウスのデジタル資産諮問事務局長に就任したパトリック・ウィット氏の「戦略的ビットコイン準備金の創設が最優先課題」との発言も相場を支援し、BTC=114,000ドル(約1,681万円)付近まで価格を伸ばした。

来週(9月12日~9月18日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はFOMCを控えて上値重く、利下げシナリオで一段高も
来週のビットコインは、9月16日・17日(現地時間)の米FOMCを最大の焦点とし、利下げペースや政策方針をめぐる思惑で大きく左右される展開が予想される。
週前半は、直近の経済指標を受けた利下げ期待が相場を後押しする一方で、FOMCを控えて様子見姿勢が強まり、上値は重くなりそうだ。
市場では0.25ポイントの利下げが織り込まれているが、政府当局からの圧力もある中でサプライズの大幅利下げとなれば、リスク資産全般が一段高となる可能性がある。さらに、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がハト派寄りの姿勢を示せば、年内の追加利下げの思惑が強まり、ビットコインの買いが強まる展開も考えられる。逆に慎重姿勢を崩さなければ、失望売りに押されるだろう。
また、ナスダックがトークン化株式の取引をSECに申請するなど、米国では伝統的な金融機関によるデジタル資産領域への参入が相次いでおり、規制整備の動きと合わせて市場の関心を高める要因となるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=118,000ドル(約1,740万円)、下値はBTC=110,000ドル(約1,622万円)を意識する。
