米国とイランの核合意を巡る協議は継続しているものの、依然として隔たりは大きい印象です。報道ベースでは、交渉が最終局面に近づくほど「決裂リスク」も同時に意識されやすく、金融市場は地政学リスクを理由としたポジション調整(リスクオフ)に傾きやすい局面に入ってきました。

ミラノ・コルティナ五輪が2月22日に閉幕しましたが、過去を振り返ると、ロシアによるウクライナ侵攻など「大きな国際イベント後に緊張が高まる」ことも連想されます。市場参加者の心理に影響を与える可能性もあるでしょう。

足元では、有事の米ドル買い・ゴールド買いが意識されやすい地合いで、実際に米イラン協議の進展が伝わるとゴールドが下落するなど、「ヘッドラインで揺れる」典型的な反応も確認されています。つまり、今は「材料の真偽」以上に、ニュースの出方で短期の値動きが増幅されやすい局面と言えるでしょう。

BTC(ビットコイン)は2つのシナリオを想定しつつ、超低レバレッジで逆張り開始

BTC/JPYの日足チャートでは、暗号資産全体が売られ、2月の急落後は緩やかな右肩下がりで推移しています(図表1)。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ここから考えられるシナリオは大きく2つです。1つ目は、下値不安が再燃してもう一段の急落を挟むパターン。2つ目は、地政学リスクがピークに達したタイミングで、いわゆる「バイ・ザ・ルーマー/セル・ザ・ファクト(噂で売って事実で買い戻す、またはその逆)」が強まり、売りポジションの巻き戻しを伴う急反発が起きるパターンです。

現状は、悲観が積み上がりやすい一方で、材料が出た瞬間の「反転」も起こりやすい局面です。タイミングを完璧に当てるのは難しいため、筆者は売りトレード中心のスタンスをいったん整理し、超低レバレッジ(0.20~0.30倍)での逆張りを段階的に検討します。

狙いは、相場を当てにいくものではなく、急反発局面での上昇を拾い、トータル残高で2~4%程度の上積みを目標とする設計です。仮に10~20%級の上昇が入った場合は、利益確定を進め、再度「 戻り売り」へ切り替える想定です。

なお、日足MACDでダイバージェンスが明確化するには、直近安値を一度割り込むような値動きが入りやすい点も意識しています。苦しい局面ではありますが、相場が最も弱い時にこそ「次の反発の種」が生まれやすい、という前提で戦略を組み立てます。

BTC/JPYの4時間足チャート:現状が安値圏の可能性も

BTC/JPYの4時間足チャートでは、前回安値(992万円)を下抜けたものの、下ヒゲを付け始めています(図表2)。直前のローソク足も下ヒゲ主体であることから、ここから4~8時間程度踏ん張れれば、短期的な買い戻しが入りやすい形です。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

海外デリバティブ市場のセンチメントも、目先は売りに傾きやすい一方、相場が反転した際には、売りポジションの解消が加速しやすく、値動きが急になりがちです。特に、今回の下げが現物主導の投げ売りを含むなら、反転局面では「現物売りの一巡+先物ショートの巻き戻し」が同時に起こり、反発が大きくなる可能性があります。

したがって、戦略としては緩やかな買い下がりでポジションサイズを調整しつつ、急反発を待つ方針とします。

ETH(イーサリアム)は2月安値更新後の急反発が狙い目か

ETH/JPYは、まもなく2月6日の安値を試す値動きです(図表3)。ここを一瞬割れて戻す展開になれば、MACDでダイバージェンスが確認できる可能性が高まり、逆張りの「形」が作りやすくなります。BTCと同様に、デリバティブのポジションが売りに傾きやすい地合いでは、反転時の買い戻しが一気に入り、急騰・急落が繰り返される確率が上がります。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

加えて、地政学リスクは「悪材料が積み上がった末の号砲」で、かえって買い戻しが入るケースも多い一方、瞬間的な急落が先に出る場合もあります。筆者の経験上、最終的には大きな買い戻しに至ることが多いため、今週(2月23日週)は例外的に、低レバレッジの買いトレードで回してみる判断とします。

今週(2月23日週)のポイント

政治的な駆け引き(強硬姿勢→軟化)によって、市場が一気にリスクオンへ振れる可能性は否定できません。実際、米国とイランの協議の進展が伝わるだけで安全資産需要が後退し、価格が大きく動く局面も報じられています。こうした「ヘッドライン相場」を前提に、ポジションは小さくして、逃げ道(利益確定または撤退するか)という方針を明確にして臨みたいところです。

• ミラノ・コルティナ五輪(2026年2月22日閉幕)後で、地政学リスクが市場心理に影響しやすい局面。
• 米イラン情勢は不確実性が大きく、ヘッドラインでリスクオフ⇔リスクオンが急転しやすい。
• BTCは下落基調だが、悲観が溜まるほどショートの巻き戻しで急反発が起こり得る。
•    逆張りは「当てにいく」のではなく、超低レバ(0.20~0.30倍)で段階的に。狙いは残高2~4%の上積み。
• ETHも安値トライ局面で、(一瞬割れ→戻り)ならダイバージェンス確認のチャンスになり得る。