状況一変、新政権への期待から日経平均の最高値更新の可能性も
石破首相が自民党総裁を辞任し、退陣すると表明した。これを受けて週明けの日経平均株価は上昇して始まりそうだ。政局の不透明感が薄れたことに加えて、新政権による経済政策、端的に言えば積極財政への期待などから買いが先行するだろう。本来であれば、米国の雇用統計が弱かったことから、円高や米景気減速などの悪材料の方に目が行きがちで、先週末の大幅高の反動もあり反落スタートとなる可能性のほうが高かったのだが、一気に状況がひっくり返った。
買いの勢いが強まれば、4万4000円台をつけ最高値更新もあり得るだろう。
長期金利の動きと政局をめぐる好悪材料拮抗から買いの持続は不透明
しかし、週明けこそは上昇して始まる公算が高いが、買いが持続するかは不透明だ。財政拡張的な政策が実行されやすくなるとの見方は、景気や株価にはポジティブだが、一方で長期金利の上昇につながりやすい。無論、株価の重石となるだろう。
結局のところ石破首相の辞任表明で晴れた霧は石破政権がどうなるかという不透明感だけで、その後の政権の枠組みが見えないという不透明感は残ったままだ。政局をめぐる好悪材料が拮抗していることも変わりない。
メジャーSQを控え波乱含みの展開になりやすい一週間
5日発表の8月の米雇用統計については景気減速懸念を強める結果となった。市場はFRB(米連邦準備制度理事会)による9月16~17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げを完全に織り込み、焦点は利下げ幅が25BPSか、あるいは一気に50BPSかという議論になっている。その意味で11日発表の8月の米CPI(消費者物価指数)は材料視されるだろう。
それ以外でも国内でも重要指標の発表がある。8日に発表される4-6 月期GDP(改定値)、8 月景気ウォッチャー調査、11日の7-9月期法人企業景気予測調査などだ。また11日のECB(欧州中央銀行)理事会も注目度が高い。
まとめると、内外ともに不透明感は非常に強く、株価指数先物とオプションの清算日が重なる3ヶ月に1度のメジャーSQ(特別清算指数)算出を12日に控え、先物主導で乱高下する波乱含みの展開になりやすい一週間となりそうだ。
予想レンジは4万2500円~4万4000円とする。
