25日線上を下げ止まり、3度目の切り返しなるか?

いよいよ今週から9月相場入りとなりましたが、チャート上は予断を許さない状況になっています。

なぜなら、前回のコラムで「今後25日移動平均線上で下げ止まって反発に向かうかが、上昇トレンド回復のカギになる」と解説しましたが、9月2日時点では、まさに25日移動平均線上を下げ止まっており、反発に向かうのか注目される状況となっているからです。

そのため、上向きの25日移動平均線上を維持できるかが今後の注目ポイントになると思われます。仮に25日移動平均線上を終値で維持するようなら、下向きの5日移動平均線を上回って上昇トレンドを回復することが視野に入ります。

その反面、25日移動平均線を下回って戻せなくなるようなら、下向きの5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生し、上値を押さえるとともに75日移動平均線辺りまで下落が続くことが考えられます。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。また、25日移動平均線上を維持した場合でも、実は警戒が必要な場面があります。それがモメンタムの水準です。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

モメンタムの低下が25日線割れにつながるか要注目

モメンタムは上昇と下落の勢いを教えてくれるテクニカル指標ですが、9月2日終値時点の水準を見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインを割り込んでいるのが分かります。

また、直近の下げ止まった水準も割り込んでおり、ここ数ヶ月で最も下落の勢いが強まっていると考えられます。そのため、25日移動平均線上を維持していても、モメンタムが0ラインを上回って水準を切り上げられないようなら、25日移動平均線を割り込む可能性が残ることになるため、注意が必要でしょう。

特に、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、低下を続けた場合、25日移動平均線上を維持できないばかりか、75日移動平均線辺りまでの下落が視野に入ることになるため、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があると思われます。

今週(9月1日週)は、アメリカの経済指標の結果を受け、米国株やドルが大きく変動することが考えられます。そうした外部環境の変動を織り込みつつ、モメンタムが上昇して25日移動平均線上を維持できるのか、9月相場を考える上で重要な週になるのではないかと思われます。