【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 45,631.74 △846.24 (8/22)
NASDAQ: 21,496.54 △396.22 (8/22)
1.概況
主要3指数は揃って大幅に反発しました。注目されていたジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演にて、先行きの金融政策に柔軟な姿勢を示したことで、投資家の利下げ期待が高まったことが株価を押し上げました。
ダウ平均は167ドル高の44,952ドルで取引を開始し、序盤は横ばい圏での推移となるも、パウエル議長の講演を受けて上げ幅を急拡大しました。その後は高値圏で底堅い推移となり最終的に846ドル高の45,631ドルと8ヶ月ぶりの最高値を更新し取引を終えました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は396ポイント高の21,496ポイントと4日ぶりに反発となりました。S&P500株価指数も堅調で、96ポイント高の6,466ポイントで取引を終え、6日ぶりに反発しました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上昇しました。特に一般消費財・サービスが3%以上上昇し、セクターの上昇率トップとなりました。そのほかエネルギーやコミュニケーション・サービス、素材が2%近く上昇しています。一方で、生活必需品のみ小幅に下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は、25銘柄が上昇し、特にキャタピラー[CAT]が4.3%の上昇となり、構成銘柄中の上昇率トップとなりました。ホームデポ[HD]やゴールドマン・サックス[GS]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、アマゾン・ドットコム[AMZN]などが3%を超え上昇したほか、ナイキ[NKE]など計6銘柄が2%以上の上昇となりました。一方で、5銘柄が下落となり、特にベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やウォルマート[WMT]が1%を超える下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、米政府が株式の10%を保有すると伝わったインテル[INTC]が5.5%上昇となりました。また電気自動車のテスラ[TSLA]は、サイバートラックの値上げを発表したことが評価され6.2%上昇、アルファベット[GOOGL]は、アップル[APPL]がiPhoneのSiri機能刷新において同社のAIモデル「Gemini(ジェミニ)の活用を検討していると伝わったほか、またメタ・プラットフォームズ[META]とのクラウドサービス提供で契約を締結したとの発表が好感され3.2%上昇しました。これを受けてアップル、メタも連れ高となりました。一方で、ソフトウェアのインテュイト[INTU]は売上高ガイダンスが市場予想を下回ったことが嫌気され5.0%下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は利下げ期待の高まりから下落し、前日から0.08%低い4.25%となりました。25日朝のドル円は146円台後半と、先週末から円高に推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場は、市場が注目していたパウエルFRB議長の講演がハト派的との受け止めから、全面高となりました。これを受けて、週明けの日本市場も上昇してのスタートが見込まれます。今週は米国時間27日にエヌビディア[NVDA]の決算発表が予定されており、内容次第では一段高が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
