【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,458.61 △483.52 (8/12)
NASDAQ: 21,681.90 △296.50 (8/12)
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って上昇となりました。ダウ平均は75ドル高の44,050ドルで取引を開始しました。対中関税の90日間の延期が好感されたほか、注目されていた7月のCPI(消費者物価指数)が概ね市場予想に沿った内容であったことが、次回9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ観測を強めたことで株高につながりました。ダウ平均は序盤に上げ幅を広げ、その後は堅調な推移となりました。44,400ドルを超えて推移する時間が続き、特段の売り材料もなく483ドル高の44,458ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は296ポイント高の21,681ポイントをつけ2営業日ぶりに最高値を更新しました。S&P500株価指数も72ポイント高の6,445ポイントをつけ、こちらも最高値を更新し取引を終えました。
2.経済指標等
7月のCPI(消費者物価指数)は、前年同月比2.7%上昇と市場予想を下回り、前月から変わりませんでした。一方、変動の激しい食品とエネルギーを除くコアの伸びは前月から0.2ポイント加速し3.1%となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうちすべての業種が上昇となりました。セクターの騰落率トップはコミュニケーション・サービスで1.8%上昇となったほか、情報技術や金融、素材、資本財・サービスの4業種が1%以上の上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上昇となりました。特に、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とゴールドマン・サックス[GS]が3%超上昇したほか、ボーイング[BA]が3%近く上昇しました。さらに、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ホームデポ[HD]が2%以上の上昇、スリーエム[MMM]やマイクロソフト[MSFT]、ナイキ[NKE]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、アップル[AAPL]、ウォルト・ディズニー[DIS]、キャタピラー[CAT]、シスコシステムズ[CSCO]が1%以上の上昇となりました。一方で、8銘柄は下落となり、特にマクドナルド[MCD]は1%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が交流サイトであるスレッズの月間利用者が4億人を超えたとザッカーバーグCEOが発表したことを受けて、3.2%上昇となりました。ステーブルコインを発行するサークルインターネットグループ[CRCL]は第2四半期の決算にて売上高が市場予想を上回ったことが好感され1.3%上昇となりました。またレストランチェーンを運営するチポトレ・メキシカン・グリル[CMG]はアナリストによる投資判断の引き上げが伝わり、2.9%上昇となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、0.01%高い4.29%となりました。13日朝のドル円は147円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、日本市場も堅調なスタートが予想されます。一方で、前日にはTOPIX、日経平均ともに最高値を更新しており、利益確定の売りが出る可能性があるほか、ドル円が前日比で円高に推移していることは輸出関連銘柄には下押し材料と考えられるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
