【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,010.29  △507.85 (7/23)
NASDAQ: 21,020.02  △127.33 (7/23)

1.概況

日米の関税交渉合意を受けて、前日の米国市場は主要3指数が揃って上昇となりました。日本との関税合意により投資家のリスクオンに傾き、ダウ平均は158ドル高の44,661ドルで取引を開始しました。また、取引時間中にEU(欧州連合)との関税交渉も合意間近だと報じられたことを背景に、一段高となりました。その後も堅調な推移となったダウ平均は最終的に507ドル高の45,010ドルと2024年12月の場中につけた最高値(45,014ドル)に迫って取引を終えました。

S&P500株価指数は49ポイント高の6,358ポイントで3日続伸、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は127ポイント高の21,020ポイントで反発となりました。2指数は過去最高値を更新して取引を終えました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。ヘルスケアが2%以上上昇したほか、資本財、エネルギーの2業種が1%以上の上昇となりました。一方で、公益事業と生活必需品の2業種がともに1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上昇となりました。特に、メルク[MRK]が3%近く上昇したほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やキャタピラー[CAT]、ゴールドマン・サックス[GS]、エヌビディア[NVDA]、シェブロン[CVX]が2%台の上昇となっています。ボーイング[BA]も日本が航空機を購入すると報じられたことや、EUと米国がともに航空機など一部製品への関税を免除すると伝わり、2%以上の上昇となりました。一方で、8銘柄が下落となり、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]やコカコーラ[KO]が1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、前日の引け後の決算発表において、次の四半期の業績見通しを引き下げたテキサス・インストゥルメンツ[TXN]が13.3%安と大きく売られました。一方で銀行業のキャピタル・ワン・フィナンシャル[COF]は第2四半期決算にて、調整後EPS(1株当たり利益)が市場予想を上回ったことで買われ、0.9%高となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日より0.04%高い4.38%で取引を終えました。24日朝のドル円は146円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は関税についての日本との合意やEUとの進展報道を好感し主要指数が上昇となりました。一方で米国市場の引け後に発表されたアルファベット[GOOGL]、テスラ[TSLA]の決算を通過するも2社はともに時間外で売りが優勢となっています。

これに加え、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が小幅安となっているなどから、日本のハイテク株も売られてのスタートが予想されます。また、昨日の日本市場は大きく上昇したこともあって、本日は利益確定の売りが出やすいと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)