東京市場まとめ

1.概況

日経平均は171円安の39,492円と続落して寄付きました。前日の米国市場は主要3指数が揃って上昇となるも、主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.4%安と下落したことで、日本でも半導体株を中心に下落してのスタートとなりました。9時19分に本日の安値となる292円安の39,370円をつけてからは下げ幅を縮小するも、39,617円を上値に伸び悩み、60円安の39,602円で前引けとなりました。

後場は株価指数先物への買いが日経平均を押し上げ、後場寄り直後は上昇に転じました。39,700円台で一進一退に推移した日経平均は、15時ごろ発表された台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]の決算が好調であったことが買い材料となり、引け間際に上げ幅を拡大し、最終的には237円高の39,901円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が続伸、1.8%高となりました。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)は9.2%安の2,007.5円をつけ大幅反落となりました。同社に買収提案をしていたカナダの同業大手、アリマンタシォン・クシュタールが16日、同提案を撤回したと発表し、買収期待がなくなったことから、売りが優勢となりました。

中外製薬(4519)は1.8%高の6,920円をつけ、3日ぶり反発となりました。15日、トランプ米大統領は輸入する医薬品関連の追加関税の発動時期は「おそらく7月末になる」とし、またこれまで税率が200%になる可能性を示していたが、「まずは低い関税から始める」と話したとされ、高関税を警戒する見方が和らぎ、医薬品株に買いが入りました。

ソフトバンクグループ(9984)は2.3%高の10,695円をつけ反発となりました。傘下で半導体設計大手の英アーム・ホールディングス[ARM]が、16日の米株式市場で4%強上昇し、またアーム株の先行きに強気な投資判断を示すアナリストもおり、同社の保有資産比率が大きいアーム株の価値上昇を期待した買いが入りました。

東レ(3402)は1.8%安の980円をつけ続落となりました。外資系証券が、「米国発の高関税による消費失速影響を8月以降に受ける可能性が高い」と指摘し、同社の投資判断を3段階で最上位の「バイ(買い)」から真ん中の「ニュートラル(中立)」に、目標株価を1,190円から1,050円にそれぞれ引き下げ、これを嫌気した売りが出ました。

データ分析サービスを提供するデータセクション(3905)はストップ高水準となる21.3%高の3,985円をつけ大幅高となりました。これまで非開示だった2026年3月期(今期)の業績予想を開示し、最終損益は20億円の黒字(前期は6.54億円の赤字)を見込み、前期まで3年連続で最終赤字となっていたところ、今期の大幅な黒字転換の見込みを好感した買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は後場好調で、反発となりました。海外勢と考えられる株価指数先物への買いも堅調で、先行きの見通しをポジティブにみている投資家が一定程度いる印象です。明日に向けては、米国のテック大手ネットフリックス[NFLX]の決算発表に注目です。その他にも、ペプシコ[PEP]などが決算発表を控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)