東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にてハイテク株高となった流れを引き継ぎ、日経平均は130円高の39,072円と3日続伸で寄付きました。およそ4ヶ月ぶりの39,000円台をつけて取引を開始すると、その後も値がさ株である半導体関連銘柄に買いが集まり、堅調な推移となりました。株価指数先物への買いも追い風となり、407円高の39,349円で前引けとなりました。

後場も一段高となり、上げ幅を拡大しての推移となりました。上値が重かった中で、節目の39,000円を明確に上抜けしたことで海外勢の株価指数先物への買いが勢いづき、14時38分には673円高の39,615円をつけ本日の高値を更新しました。その後も高値圏で推移した日経平均は最終的に、642円高の39,584円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が4日ぶりに反落、1.9%安となりました。

2.個別銘柄等

ルネサスエレクトロニクス(6723)は12.0%安の1,735.5円をつけ、大幅反落となりました。26日午前、「Capital Market Day2025」と称した事業戦略説明会で開示された資料で長期目標の達成時期がこれまでの2030年から2035年に後ろ倒しされることが明らかになり、この見通しが市場の期待に対してネガティブに受け止められ、売り材料視されたようです。

荏原製作所(6361)は9.8%高の2,667.5円をつけ4日続伸となりました。国内証券が同社の目標株価を従来の2,900円から3,000円に引き上げたほか、複数の証券会社が同社の株価の先行きに対し強気な見方を示すレポートを出しており、買いが優勢となりました。

サイボウズ(4776)は一時11.2%高の3,860円をつけ年初来高値を更新しました。25日大引け後、2025年12月期(今期)の純利益が従来予想の59億円(前期比66.1%増)から62.8億円(同76.7%増)になるとの見通しを発表し、上方修正を好感した買いが入りました。

半導体基板等の研磨材メーカーであるフジミインコーポレーテッド(5384)は9.7%高の2,079円をつけ3日続伸となりました。外資系証券が、同社の投資判断を3段階のうち最下位の「売り」から真ん中の「中立」に、また目標株価を従来の2,230円から2,290円にそれぞれ引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

再生細胞薬バイオベンチャーであるサンバイオ(4592)はストップ安水準となる17.4%安の2,381円をつけ大幅反落となりました。外傷性脳損傷の治療製品「アクーゴ」の製造販売をめぐり一部変更の承認申請をしたのに伴い、承認の取得時期が従来の想定時期(2025年5~7月)からずれ込むことが見込まれ、これを嫌気した売りが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は約4ヶ月ぶりとなる節目の39,000円台をつけ、また4万円に迫る大幅高となりました。直近ではハイテク株がけん引しており、短期的な過熱感には注意が必要と考えられるでしょう。また、4万円台回復に向けては、自動車等を中心とした輸出関連銘柄による底上げが必要で、その点でも滞っている関税交渉に注目が集まります。明日は、東京都区部CPI(消費者物価指数)や失業率、小売業販売額が発表されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)