政策金利は4.25-4.50%で据え置き
現地6月18日に米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、政策金利は4.25-4.50%で据え置きとなりました。声明文では、これまでの「失業の増加と高インフレのリスクが上昇」という文言が削除され、また一段の高まりが警戒されていた経済の不確実性について、低下したが依然として高いとされるなど、リスク認識が若干緩んだ印象です。
今回は3ヶ月に1回の経済予想が示されています。前回3月時点の予想と比べてGDPは下方修正、失業率は上方修正と景気認識が下方修正されました。
同時に公表された物価見通しは上方修正となり、今回の予想は景気認識の下方修正と物価認識の上方修正が並ぶ形となっております。
年内の政策金利見通しは据え置くとの予想が7名と、前回から3名増加
そして、FRB当局者による政策金利見通しです。中央値では2026年以降の見通しが上方修正されています。
FOMCメンバーの政策金利見通し分布が図表4のドットチャートです。2025年の政策金利は、中央値では前回から変わらず2回分の利下げ予想ながら、現状で据え置くとの予想が7名と、前回時点の4名から増えています。また、1回の利下げ予想が2人となりました。
パウエルFRB議長、不確実性が高い中で、見通しの確信度の低さに言及
会見でパウエルFRB議長は、政策変更に向けてまだデータの確認を待つこと、また不確実性が高い中で、見通しの確信度の低さに言及しました。引き続き、次の一手が利下げとなるが、データが確認できるまでは様子見の姿勢です。
関税交渉は続いており、その影響はまだ顕在化しておらず、経済の先行きは読みづらい状況です。当局者間でも2025年の見通しにばらつきがあることから、短期的にデータ次第で市場金利が上下に振れる可能性が示唆されています。景気鈍化やインフレの落ち着きが明確になるにつれて、利下げスタンスが再度示されるとみられますが、マーケットの方向感を見極める上では、足元で鈍化の兆しが出始めた経済指標の「鈍化の程度」が焦点となります。
