【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,752.96  △83.60 (5/1)
NASDAQ: 17,710.74  △264.40 (5/1)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数が揃って上昇しました。マイクロソフト[MSFT]やメタ・プラットフォームズ[META]が決算結果を受けて大幅高となったことで、ハイテク株を中心に指数を押し上げました。また、ISM製造業景気指数が市場予想ほど悪化せず、景気悪化への懸念が和らいだことも投資家心理を支える要因となりました。

ダウ平均は248ドル高で取引を開始し、一時は430ドル高まで上げ幅を広げる場面もありました。その後は伸び悩み、一進一退の展開となった結果、最終的に83ドル高の40,752ドルで取引を終え、8日続伸となりました。

また、S&P500株価指数も35ポイント高の5,604ポイントで8日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は264ポイント高の17,710ポイントで取引を終え、大きく反発しました。

2.経済指標等

先週の新規失業保険申請件数は前週比18,000件増の24万1,000件となり、市場予想の22万4,000件を上回って悪化しました。4月のISM製造業景気指数は48.7となり、市場予想の48.0を上回りましたが、前月(49.0)からは低下しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇しました。特に情報技術が2%超上昇したほか、コミュニケーション・サービスが1%超上昇、一般消費財・サービスが1%近く上昇しました。一方で、4業種が下落となり、特にヘルスケアが2%超下落しました。また、生活必需品や素材、金融が小幅に下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中15銘柄が上昇となりました。特に、マイクロソフト[MSFT]が7%を超える大幅上昇となりました。同社は、第3四半期決算で市場予想を上回る好決算を発表したことが好感されています。そのほか、アマゾン・ドットコム[AMZN]が3%超上昇し、エヌビディア[NVDA]が2%超上昇、キャタピラー[CAT]とゴールドマン・サックス[GS]は1%超上昇しました。一方で、15銘柄が下落となり、なかでもユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やアムジェン[AMGN]、メルク[MRK]は2%超下落しました。また、マクドナルド[MCD]やコカコーラ[KO]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]は1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、メタ・プラットフォームズ[META]が5月1日の取引終了後に第1四半期決算を発表し、売上高・EPSともに市場予想を上回ったことで、4.2%上昇しました。また、空調管理システムを提供するキャリア・グローバル[CARR]は11.6%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は第1四半期決算で減収・増益となる中、とりわけEPS(1株当たり利益)が市場予想を上回ったことや、2025年通期の業績予想を引き上げたことが好感されています。一方で、医療機器のベクトン・ディッキンソン[BDX]は18.1%下落し、S&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。同社は第2四半期決算でEPSこそ市場予想を上回ったものの、売上高が予想を下回ったほか、通期のガイダンスで既存事業の売上高やEPSの見通しを下方修正したことが嫌気されています。そのほか、肥満治療薬などを手がけるイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]や、半導体のクアルコム[QCOM]も決算を受けて大幅に下落し、イーライリリー・アンド・カンパニーは11.7%安、クアルコムは8.9%安となりました。

5.為替・金利等

28日の米長期金利は、前日から0.06%高い4.22 %で取引を終えました。ドル円は、円安方向に進展し、145円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、前日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が8日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1.5%高と大きく反発した流れを引継いで、上昇してのスタートが予想されます。

日経平均は、外国為替市場での円安進行を支えとして、節目の3万7000円回復に向けてどこまで上げ幅を広げられるかが注目されます。一方で、本日は日本市場が連休前最後の取引日であることに加え、米国では雇用統計の発表を控えているため、上値では持ち高調整の売りや利益確定売りも想定されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)