【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,113.50  △20.10 (4/25)
NASDAQ: 17,382.94  △216.90 (4/25)

1.概況

先週末の米国市場は、主要3指数が揃って4日続伸となりました。トランプ大統領は25日、日本との関税交渉について「合意にとても近づいている」と述べたことなどから、同盟国との協議進展を好感した買いが見られました。また、アルファベット[GOOGL]の好決算や長期金利の低下などを背景に、投資家心理の改善が進み、相場を支えました。一方で、対中貿易摩擦の懸念がくすぶるなか、主力株を中心に持ち高調整の売りが出て、下げる場面も見られました。

ダウ平均は47ドル安で取引を開始すると、一時374ドル安まで下落する場面もありました。その後、持ち直し、取引終盤にかけて一進一退となりながら上昇していくと、最終的に20ドル高の40,113ドルで取引を終え、小幅続伸となりました。

一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は216ポイント高の17,382ポイントと、1%以上上昇して取引を終え、続伸しました。S&P500株価指数も40ポイント高の5,525ポイントで取引を終え、続伸しています。

2.経済指標等

4月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は、52.2となり市場予想に反して速報値50.8から上昇しました。また、同調査内の1年先の期待インフレ率は6.5%と、速報値6.7%から下方修正されました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種中5業種が上昇となり、なかでも一般消費財・サービスや情報技術、コミュニケーション・サービスは1%以上上昇しました。一方で、素材や金融、公益事業などの6業種は1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中13銘柄が上昇しました。なかでも、エヌビディア[NVDA]が4%超上昇したほか、メルク[MRK]が3%超上昇、アイビーエム[IBM]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、セールスフォース[CRM]、マイクロソフト[MSFT]が1%超上昇しました。一方で、17銘柄が下落となりました。なかでも、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が2%超下落したほか、ナイキ[NKE]やユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、スリーエム[MMM]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アルファベット[GOOGL]が、第1四半期決算で売上高、EPS(1株当たり純利益)ともに市場予想を上回ったほか、増配と自社株買いも公表し、株価は1.7%上昇しました。また、テスラ[TSLA]は、米政府が自動運転サービス拡大に向けた新たな枠組みを発表し、業績回復期待から買われ株価は9.8%上昇の大幅高となりました。一方で、インテル[INTC]は、第1四半期決算で売上高、EPSともに市場予想を上回ったものの、第2四半期決算の見通しが予想を下回ったことが嫌気され、6.7%下落しました。また、モバイル・ワイヤレス通信サービスを提供するTモバイル[TMUS]は、第1四半期決算で増収、増益を達成したものの、主力の無線通信事業の成長が市場予想を下回ったほか、新規契約者数も予想に満たず、株価は11.2%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前営業日から0.08%低い4.23 %となりました。ドル円は、143円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場でハイテク株を中心に主要3指数が揃って続伸した流れを引継ぎ、本日の日本市場も上昇して始まることが予想されます。日経平均は、心理的な節目である3万6000円台への回復が期待されます。

今週は、月初の各種主要経済指標のほか、5月1日(木)の日銀金融政策決定会合の結果発表に注目が集まります。また、本日も決算発表が相次ぐ予定で、レーザーテック(6920)やオリエンタルランド(4661)、TDK(6762)、日立製作所(6501)、東京地下鉄(9023)などの発表に注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)