エヌビディア[NVDA]の決算発表と市場への影響
・2025年2月の決算発表では、短期的な株価変動があったものの、長期的には良好な結果だった。決算発表後の株価は一時的に3%上昇したが、その後は変動し、最終的に約1%の上昇となった。
・ファンダメンタルズに問題はなく、将来も継続的な成長が期待できる決算内容である。ブラックウェル(新世代チップ)の本格稼働が成功し、需要は非常に強く、パイプラインも充実している。
・中期的には推論型AI(リーズニングAI)や汎用AI(AGI)の発展により、さらに高い計算能力が必要となり、需要は続く見通しである。
市場の混乱要因分析
・経済指標(カンファレンスボードの消費者信頼感指数、PMI、ミシガン大学の消費者信頼感指数)が市場心理の悪化を示している。ウォルマート[WMT]の控えめな見通し発表が市場に致命的な打撃となった。
・トランプ政権2.0の不透明感が市場に影響している。特に関税政策については、2月4日に中国製品に10%の関税、3月12日に鉄鋼とアルミに25%の関税を課すと発表した。
・ウクライナ戦争の行方と、トランプ政権と欧州の同盟国との関係の揺らぎが不安材料となっている。また、季節要因として、大統領4年サイクルの1年目の2月は歴史的に米国市場が弱い傾向がある。
現在の市場状況と投資家心理
・RSI(相対力指数)は過熱感が落ち着きつつあり、12月末のピークから下落してリバウンドが期待できるレベルに来ている。市場は調整局面にあるが、これは長期的に必要なプロセスである。
・投資家が慎重になりつつあり、これまで勢いのあったモメンタム銘柄が売られ、コカ・コーラ[KO]やプロクター・アンド・ギャンブル[PG]などのディフェンシブ銘柄が買われている。
・弱気の投資家が増えており、ブル・ベア指数では弱気の人が41%、強気の人が29%となっている。これはコントラリアン・インディケーター(逆張り指標)として見ると、マーケットのリバウンドが期待できる状況である。
企業業績の現状と見通し
・第4四半期の決算発表では、当初予想の7.3%増益に対し、実際は12.8%増益と良好な結果となった。企業業績の伸びは株価上昇に最も重要な要素である。
・2025年第1四半期の業績見通しは下方修正傾向にあるが、これはトランプ政権2.0の不確実性や関税の影響を懸念し、アナリストが保守的な予想をしているためと考えられる。
・実際の業績は予想を上回る可能性が高く、期待感が下がっているため、実際の業績が市場予想を上回りやすい環境である。過去3年間の急激な利上げにもかかわらず、米国経済は強い回復力を示しており、この傾向は続くと予想される。
長期的な市場見通しとテクノロジーセクターの重要性
・過去20年間でテクノロジーセクターの業績が最も良く、今後もこの傾向は続く見込みである。2025年にはメガキャップのグローバルテクノロジー企業は設備投資を大幅に増加させる計画があり、複数の大手企業がAI関連投資を強化している。
・S&P500のPERは直近のデータでは22.7倍で、歴史的平均の19倍より高いが、2026年のEPSを考慮すると20倍、2027年では18倍と徐々に低下する傾向にある。
・米国市場はバリュエーションだけで判断すると間違える可能性があり、テクノロジーのイノベーションを考慮すると、今後もテクノロジー株の上昇は続くと予想される。アメリカ株は1年間に平均で1回の10%調整と3回の5%程度の調整があるため、短期的なボラティリティに振り回されないことが重要である。
バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]の運用の秘密
・バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]は多数の子会社を持ち、特に保険会社は18社以上ある。最近の株式売却に関するニュースについて、実際にはバークシャー全体ではなく、主にナショナル・インデムニティという保険会社が売却を行っている。
・ナショナル・インデムニティは、バークシャー・グループ内で最大の保険会社で、アメリカン・エキスプレス[AXP]やアップル[AAPL]、コカ・コーラなどの主要銘柄への集中投資を行っている。この会社は27銘柄に集中投資しており、また日本の商社の主要株主でもある。
・近年の株式売却は米国株への見方が弱気になったためというよりも、保険金支払いに備えた現金準備の可能性が高い。2023年はアメリカで大洪水やカリフォルニアの火災があり、保険会社として支払いに備える必要があった。
テスラ[TSLA]の現状と将来性
・株価下落の原因は、CEOの言動やヨーロッパでの売上減少だが、過去にも同様の局面があり、その後回復している。今後のカタリストとして、第2四半期後半に新モデルの発表が予想されている。
・最も重要なのは、6月にテキサス州オースティンで開始予定のロボタクシー(自動運転タクシー)サービスである。ロボタクシーのコストは人間が運転するタクシーの約1/8と非常に効率的で、これが実現すれば大きな収益源となる可能性がある。
・テスラ[TSLA]は単なる自動車会社ではなく、AI企業と見るべきであり、自動運転技術と人型ロボットの開発を進めている。テスラの将来性を評価する従来の自動車業界のアナリストはテクノロジーの専門家ではないため、評価が異なることがある。
投資戦略のポイント
・日本株と米国株を比較すると、米国はテクノロジーセクターのウェイトが約30%と高いのに対し、日本は約15%と低い。一方、日本は資本財セクター(景気循環型)のウェイトが高い。このセクター構成の違いが、米国株式指数が上昇しやすい要因となっている。
・長期投資では「SNE指数」という考え方が有効で、これはS&P500、NASDAQ100、新興国市場指数を1/3ずつブレンドした合成指数である。S&P500は比較的リスクが低く多様な業種を含み、NASDAQ100はテクノロジーとイノベーションに特化し、新興国市場は長期的な高い成長が期待できる。
・ポートフォリオの一部として、配当利回りの高いカバードコール戦略のETFや投資信託を保有することで、安定したインカムを得ることができる。例えばNASDAQ100のカバードコール戦略を採用した投資信託は、現在約12%の配当利回りがあり、特にリタイア世代や定期的なインカムを求める投資家に適している。
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