東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は後場に一段高となり4日続伸となりました。前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ、163円高の39,810円で寄り付いた日経平均は、前場は一進一退で推移しました。寄り付き後は伸び悩み、9時30分には30円高の39,677円まで上げ幅を縮小し本日の安値を更新しました。その後は再び上昇するも、心理的節目の4万円に接近したところでは利益確定の売りに押され、183円高の39,830円で前引けとなりました。
後場は一段高となり、堅調に推移しました。14時台には4万円を上回り、15時16分には389円高の40,036円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩みましたが、312円高の39,958円とわずかに4万円に届かず取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が反落、0.9%安となりました。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)は8.6%高の2,265.5円をつけ、大幅続伸で取引を終えました。21日に日米外相会談が行われ、岩屋外務大臣は会談で日本の防衛費をGDP比で2027年度までに2%に高める取り組み等を明示したとされ、防衛関連銘柄に買いが集まりました。川崎重工業(7012)は1.1%高の6,815円、IHI(7013)は1.9%高の8,528円をつけ、ともに3日ぶりに反発となりました。
ハイデイ日高(7611)は9.7%高の2,798円をつけ、大幅反発で取引を終えました。22日に最大20億円の自社株買いと予想配当の上方修正を発表したことが好感されました。年間の1株当たり配当金は従来の年間36円から2円増額し、38円に上方修正されています。
フジ・メディア・ホールディングス(4676)は7.8%安の1,817円をつけ5日ぶりに大幅反落となりました。タレント中居正広氏が取引時間中に芸能活動を同日付で引退すると発表し、後場に一段安となりました。同社はアクティビストの要求に伴う企業統治改革の進展期待で前日までに4日続伸となっていたことから、利益確定の売りも株安に寄与しました。
投資判断と目標株価の引き上げが買い材料となる銘柄が散見されました。任天堂(7974)は国内証券により最上位判断、目標株価も12,300円に引き上げられたことで、一時3.9%高の9,775円をつけ上場来高値を更新する場面が見られました。サンリオ(8136)も投資判断に加えて、目標株価が6,200円に引き上げられことで5.9%高の5,509円をつけ大幅続伸となりました。
ニデック(6594)は3.8%高の2,946.5円をつけ続伸で取引を終えました。牧野フライス製作所(6135)に提案しているTOBを巡り、米国で競争法上の許認可手続きを終えたとの発表を受けて、買収に向けた進捗が見られたことが買い材料となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は0.8%高で取引を終え、終値で4万円台までは41円とわずかに届きませんでした。明日に向けて、日本では大引け後にニデック(6594)とディスコ(6146)の決算に注目が集まります。ディスコは1月9日に個別売上高と出荷額の速報値を発表しており、その中で第3四半期の個別業績予想はすでに達成していると発表していることからサプライズは乏しいと考えられますが、トランプ大統領が就任した今の市況についてのコメント等に注目です。
また明日は日本で、日銀の金融政策決定会合の結果が発表されるほか、2024年12月の全国消費者物価指数の発表が予定されており、コアCPIは前年同月比3.0%が市場予想とされています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)