今週(1月10日~1月16日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):トランプ次期米大統領の就任式を前に底堅く推移
ビットコインは、一時的に売りが強まるも、トランプ次期米大統領の就任式を前に暗号資産政策への注目が高まり、底堅く推移した。
米国では12月雇用統計が市場予想を上回る結果になったことで利下げ観測が後退し、投資家のリスクオフ姿勢が強まった。その中、市場では米国政府やロシア政府が押収したビットコインの売却に動くとの懸念が強まり、一時BTC=1,404万円(90,000ドル)付近まで大きく下落した。
しかし、トランプ次期米大統領が就任式で暗号資産関連を含む大統領令を発表する予定との報道が広がると、ビットコインは急反発した。米国上院では暗号資産に特化した委員会が設立される見込みで、上院銀行委員会のティム・スコット委員長がデジタル資産の規制整備に取り組むと発言したことも好感された。また、SEC(米証券取引委員会)が早急に暗号資産規制を見直す計画との報道もあり、いよいよ米国の暗号資産政策が本格始動するとの期待が高まった。
その中、12月の米生産者物価指数と米消費者物価指数の伸びが鈍化傾向となり、利下げ観測が再び高まったことで、ビットコインはBTC=1,560万円(100,000ドル)付近まで大きく上昇した。
来週(1月17日~1月23日)の相場動向
BTC(ビットコイン)はトランプ次期米大統領の就任式での発言に左右される展開か
1月20日にトランプ次期米大統領の就任式を控え、市場では暗号資産関連の大統領令に対する注目が集まっている。特にビットコイン準備金に関する内容が大統領令に含まれていた場合、市場の期待感からビットコインが再びBTC=1,560万円(100,000ドル)を上抜ける可能性がある。一方、新しい取り組みが発表されない場合、失望売りが発生し、大幅な下落につながるリスクも意識される。
また、トランプ氏の政策発表や発言により、金融市場が動揺する可能性にも注意が必要である。強硬的な関税政策などが明らかになった場合、インフレ再燃の懸念が高まり、米国金利の上昇とともにリスク資産全般の売り圧力が強まることも予想される。
1月のFOMCでは金利据え置きが予想されているが、トランプ氏の就任式での発言次第では、今後の利下げ見通しにも影響が及ぶと考えられる。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,607万円(103,000ドル)、下値はBTC=1,404万円(90,000ドル)を意識する。