東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。前日の米国市場にてハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、寄付きは132円高の39,589円と反発して取引を開始しました。寄付き後早々に338円高の39,796円をつけ、本日の高値を更新するも、その後は上昇に陰りが見え、前場は上げ幅を縮小する展開となりました。次第に上げ幅を縮め、前場は62円高の39,520円で取引を終えました。
後場の序盤は39,500円台で、足踏み状態となりましたが13時半頃に一転して下落に転じました。下落する場面では買いも入り前日終値を挟んで一進一退となるも引けにかけて弱含み、最終的には92円安の39,364円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が続落、0.4%安となりました。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)は4.4%高をつけ続伸で取引を終えました。1銘柄で日経平均を82円押し上げて引けています。16日に孫正義会長兼社長がトランプ次期大統領政権下の4年間で米国向けに1,000億ドル(約15兆円)の投資を実施する計画を正式に表明したことで、AI関連投資が今後の収益拡大に寄与するとした思惑買いが入りました。
アドバンテスト(6857)が9.4%安となり4日ぶりに反落となりました。1銘柄で日経平均を235円押し下げており、突出して下落が目立つ1日となりました。一部の外資系証券の目標株価の引き下げ等を受け、利益確定の売りに押されました。その他の半導体関連銘柄は小幅高となり、東京エレクトロン(8035)は0.8%高、SCREENホールディングス(7735)は0.4%高、ディスコ(6146)は0.2%高で取引を終えました。ソシオネクスト(6526)は3.1%高で9日続伸となりました。
三菱重工業(7011)が一時4.0%高と大幅上昇となりましたが、終値では前日と変わらずの2,281円で取引を終え、伸び悩みの様子がうかがえました。16日のトランプ次期大統領による記者会見内で石破首相との会談に意欲的な様子が伝わり、米国からの防衛能力強化が求められるといった思惑が材料となるも、川崎重工業(7012)は0.7%安、IHI(7013)は0.8%高と防衛関連銘柄間でもまちまちの結果となりました。
ディー・エヌ・エー(2432)が一時5.5%高をつけ、年初来高値を更新し5日続伸で取引を終えました。スマホゲームの「Pokemon Trading Card Game Pocket(通称:ポケポケ)」において、本日15時より拡張カードパックが実装されることが業績貢献への期待につながり株価はポジティブに反応しました。
象印マホービン(7965)は一時16.6%高となり、年初来高値を更新し続伸となりました。16日に2024年11月期の業績を上方修正し、営業利益を従来よりも7.5億円増額し59.5億円と発表したことが好感されました。価格転嫁を進めたことなどが利益の上振れ要因とされています。
その他の銘柄では、日産自動車(7201)が年初来安値を更新し3.9%安で安値引け、経営コンサルティング会社のプロレド・パートナーズ(7034)は今期の見通しを発表するも赤字幅が拡大する見通しであることが示されたことで株価はネガティブに反応して一時ストップ安、終値は東証プライム市場で値下がり率トップとなる17.9%安で反落となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は3日続落となり、上値の重さが意識されています。相場全体を押し上げる材料が欠けるものの、足元では日経平均ボラティリティー・インデックスが下落基調となる等、下値の底堅さもうかがえます。
明日も日米の中銀会合を前に同様に上値の重い展開で小幅な値動きが予想されます。日米の金融政策の方針を確認し、先行きの見通しが固められれば年末高の期待が高まると考えられます。また明日はキオクシアホールディングス(銘柄コード:285A)の上場が控えており、他半導体関連銘柄からの乗換が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)