日本では決算発表一巡で手控えムードが強い。米国株もFRB(米連邦準備制度理事会)高官のタカ派的な発言が続き金利が上昇しており、株価の上値を抑える要因になる。また、トランプ次期政権の政策への警戒感・不透明感も重石だ。
最大の注目材料はエヌビディアの決算発表
そうしたなか今週最大の注目材料は米半導体大手エヌビディア[NVDA]の8-10月期決算発表だ(20日)。ダウ平均の構成銘柄に採用されたばかりの同社が株式市場に及ぼす影響は大きい。市場予想では8-10月期の売上高は前年同期比82%増、純利益は87%増の見通しだ。実績以上に重要なのが、今後の予想だ。2024年11月-2025年1月期の見通しに市場は大きく反応するだろう。
エヌビディア決算の前日にあるウォルマート[WMT]の決算も、米国個人消費の強さを占う観点から見逃せない。
米国の主要経済指標は、19日に住宅着工件数、21日にフィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数、22日に中古住宅販売件数、ユーロ圏PMI(速報値)、23日にミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などがあるが、それほど重要なものはない。
週明けの日経平均は3万8000円の節目をめぐる攻防か
むしろ、今週は国内の指標に注目だ。それは22日に公表される10月の消費者物価指数(CPI)だ。下半期の価格改定を織り込んでCPIは強含む可能性が高い。円安が進行していることもあって、日銀の利上げが意識されやすくなる。CPIの発表に先立って、18日や21日に予定されている植田・日銀総裁の挨拶・講演にも注目が集まる。
先週は円安が進んだが日経平均の上値は重く、先週火曜日から4日連続陰線を引いている。円安が日銀の利上げ警戒につながっている感がある。
先週末、東京市場が引けた後(日本時間16日早朝)の夜間取引で日経平均先物は下落し、前日の清算値と比べ630円安い3万8040円で終えた。週明けの日経平均は3万8000円の節目をめぐる攻防となりそうだ。
予想レンジは3万7500円~3万8800円とする。