【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,444.99 ▼305.87 (11/15)
NASDAQ: 18,680.12 ▼427.53 (11/15)
1.概況
米国市場は、主要3指数が揃って続落となりました。ダウ平均は162ドル安で取引を開始しました。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長による前日の利下げを慎重に進めるといったタカ派発言が引き続き相場の重石となり総じて軟調に推移し、中ごろには400ドル安まで下げる場面が見られました。その後は下げ幅を縮小するも、305ドル安の43,444ドルで取引を終えました。S&P500株価指数は、78ポイント安の5,870ポイント、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は427ポイント安の18,680ポイントと主要3指数が揃って下落する1日となりました。
2.経済指標等
15日に10月の米小売売上高が発表され、前月比は市場予想よりも0.1%ポイント高い0.4%増となり、引き続き米国経済の堅調さが示されました。自動車を除くコア指標では、同0.1%増と市場予想から0.2%ポイント低い結果で、まちまちの内容が発表されています。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち3業種が上昇しました。公益事業が1%強上昇する一方で、8業種が下落しました。中でも、情報技術は2%半ば下落、ヘルスケア、コミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中11銘柄が上昇となりました。決算内容と先行きの見通しを好感した買いが続きウォルト・ディズニー[DIS]が5%強上昇しました。また、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、他5銘柄が1%以上上昇しました。一方で19銘柄が下落する中で、アマゾン・ドットコム[AMZN]とアムジェン[AMGN]が4%以上、エヌビディア[NVDA]は3%以上の下落となり、下げが目立ちました。また、マイクロソフト[MSFT]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、メルク[MRK]の3銘柄が2%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、トランプ次期大統領がワクチン懐疑派のロバート・ケネディ氏を厚生長官に指名するといった報道から製薬関連銘柄が売られ、モデルナ[MRNA]が7%以上、ファイザー[PFE]が4%以上の下落となりました。その他にもメタ・プラットフォームズ[META]が4%近く下落し、半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズ[AMAT]は9%強下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%ポイント高い4.44%となりました。一時4.5%と6月以来の高水準をつけました。ドル円は、利上げ期待の後退から2円ほど円高となり、154円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末のFRBのタカ派発言を受けて、同様に軟調に推移することが予想されます。長期金利の上昇からバリュエーションの高い銘柄には見直しが入ると考えられ、また米国市場は総じて半導体関連銘柄は下落しており、日本でも半導体関連銘柄は下げて始まりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)