本内容は2024年10月24日(木)に放映したハッチの米国マーケットセミナーを一部抜粋要約したものです。

米国大統領選挙年の株式市場特徴

・米国株は大統領選挙の年の第4四半期に、83%の確率で上昇する傾向がある。

・2024年は4年サイクルの4年目で、これは2番目に株価が強い年に当たる。

・現在の業績予想は2024年が前年比9%増益、2025-26年も二桁成長が見込まれる。

大統領選挙とトランプ政策の影響

・トランプ氏の公約である関税引き上げは、アメリカのGDPを1%以上押し下げる可能性がある。

・減税政策は議会の承認が必要で、即座の実現は難しい。

・エネルギー、防衛、金融セクターは規制緩和の恩恵を受ける可能性がある。

半導体関連銘柄の動向

・NVIDIAの需要は引き続き強く、アナリストは2025-27年の業績予想を上方修正している。

・TSMCは年末までに先端半導体パッケージング技術の生産能力を2倍に増強する計画。

・アームの時価総額は、2020年のNVIDIA買収提案時の400億ドルから1600億ドルに上昇。

プラットフォーム企業の成長

・メタは今年から配当金の支払いを開始し、AIへの積極投資が評価されている。

・アルファベットは、独占禁止法訴訟の影響は限定的との見方が強い。

・Amazonはデータセンター投資の収益性に懸念があったが、回復の兆しがある。

テスラの業績回復

・直近の決算で予想を上回る利益率と過去最高の納車台数見通しを示した。

・生産コストは1台あたり3.5万ドルと記録的な低水準を達成。

・エネルギー貯蔵装置の利益率が前期の24.6%から30.5%に上昇。

通信セクターの課題

・金利上昇による借入コストの増加が収益を圧迫している。

・高配当銘柄は債券利回りとの比較で売り圧力を受けている。

・規制環境は依然として厳しいが、トランプ政権下では緩和される可能性がある。

市場のリスク要因

・スイングステートでトランプ氏が優勢になってきている。

・機関投資家は、一党が大統領と議会を独占する「圧勝」シナリオをリスク要因と見ている。

・中東情勢とロシア・ウクライナ情勢という2つの地政学リスクが継続している。

長期投資の見通し

・半導体セクターは景気サイクルの影響を受けるが、AI関連は成長トレンドが強い。

・高配当銘柄は株価上昇よりも安定的な配当収入を重視した投資が望ましい。

・S&P500は年末にかけて6,000ポイント程度までの上昇が予想される。