東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、大幅反落となりました。前日の米国株式市場にて半導体関連銘柄が急落したことを背景に、547円安の39,362円で寄り付きました。半導体銘柄の急落は、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング[ASML]が決算を受けて16%安となったことが大幅安につながりました。
前場は、朝方に節目である39,000円に接近するも下値では押し目買いが入り、817円安の39,093円で引けました。
後場に入ると、一進一退ながら少しずつ下げ幅を縮小し、最終的には730円安の39,180円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が反落、1.3%安となりました。
2.個別銘柄等
ASMLホールディングの下落を受け、半導体関連銘柄が軒並み下げました。半導体検査装置メーカーのレーザーテック(6920)は13.4%安の22,150円、半導体製造装置メーカーのSCREENホールディングス(7735)は9.3%安の10,100円、東京エレクトロン(8035)は9.2%安の24,310円、3銘柄で日経平均を約301円押し下げました。
東宝(9602)が前日比、一時177円(3.1%)高の5,859円まで上昇しました。15日の2025年2月期の中間決算において、アニメ映画が好調であったことを背景に営業利益が前年同期比33.0%増の409億円と発表、通期の業績予想も上方修正したことで買いが集まりました。後場に入ると一転下落に転じ、最終的には102円(1.8%)安の5,580円で取引を終えています。
高島屋(8233)は前日比17.5円(1.4%)安の1,242円で5日ぶりに反落となりました。主な要因は、通期の売上予想を3%程度、下方修正したことが売りにつながりました。好調であったインバウンド売上が足元の円高傾向等から減速する見通しであることを発表し、失望売りにつながっています。
300円ショップの「3COINS」等を運営するパルグループホールディングス(2726)が前日比、一時472円(18.2%)高の3,070円をつけ、上場来高値を更新しました。2025年2月期の中間決算において、営業利益が前年同期比14.6%増の118億円、通期の業績予想も上方修正し、前期比23.4%増となる229億円と好調な決算内容が株価を押し上げました。同社は利益率の改善と販管費率の低減が増益に寄与したとしています。
雑貨メーカーのトランザクション(7818)も前日比、一時292円(12.8%)高の2,577円と大幅高となりました。2024年8月期本決算にて、増収増益を発表し、また今期の売上、営業利益も同水準の成長を見込んでいることが好感されました。今期の営業利益は前期比11.8%増の58億5,000万円とし、市場予想である57億円をわずかに上回るガイダンスも株価を支えました。
マネーフォワード(3994)は前日比682円(10.9%)安の5,601円となり、大幅安となりました。2024年度の第3四半期決算にて、営業損益が28億円の赤字であったことを発表し、赤字幅が市場予想よりも大きかったことが失望売りにつながりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、5日ぶりの反落となりました。ASMLホールディングの受注額の大幅減少や来期業績予想の下方修正が同社の下げの主因で、日本では半導体製造装置メーカーを中心に大きく下落しました。半導体関連は、17日に台湾積体電路製造TSMCやディスコ(6146)の決算も控えており、これらの企業の決算を前に手じまい売りにつながったとの市場コメントも見られました。
一方で、米国の主要企業の3Q決算はここまで好調で、市場コンセンサスを上回る結果を発表する企業が多いことはポジティブで、ボラタイルなマーケットの中で、改めて企業の業績に注目したいと思います。
今晩の米国市場の決算銘柄はモルガン・スタンレー[MS]、アルコア[AA]が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)