今週(8月30日~9月5日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国株の大幅下落を背景に軟調な展開
ビットコインは、レイバー・デー明けの米国株が大幅下落したことを背景に、軟調な展開となった。
米国では、民主党大統領候補であるハリス氏が初のテレビインタビューに登場し注目を集めたが、新しい政策の発表はなく、市場への影響は限定的だった。材料が乏しい中、ビットコインはもみ合いが続いていたが、イスラエルで停戦と人質解放を求める大規模なデモが発生すると、リスクオフの動きで売りが強まった。
予測市場のポリマーケットで共和党大統領候補であるトランプ氏が再び優勢となり、トランプ氏の勝利への期待でビットコインは一時的に反発。しかし、祝日明けの米国市場で、ISM関連指数が精彩を欠いたことなどからハイテク株を中心に株価が大幅下落し、ビットコインも再び下落に転じた。先週に引き続きエヌビディア[NVDA]の下げが厳しく、現物ETFからの資金流出と相まって、ビットコインはBTC=804万円(56,000ドル)付近まで価格を下げた。
その後、米国株の買い戻しに伴い、ビットコインもBTC=818万円(58,000ドル)付近まで急回復したものの、米雇用統計の発表を控えた警戒感から軟調な推移が継続した。
来週(9月6日~9月12日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米国大統領選挙テレビ討論会の内容で左右されるか、米CPIにも注目
来週は、第2回目となる米国大統領選挙のテレビ討論会が開催され、トランプ氏とハリス氏が初めて公共の場で直接対決する。暗号資産を自ら保有し、党としても暗号資産推進の意向を表明している共和党のトランプ氏が優勢になった方が相場はポジティブに反応すると予想する。
しかし、来週にはハリス氏支援の暗号資産政治資金団体がイベントを開催するなど、民主党支持派の暗号資産業界関係者の動きも目立っている。討論会の中でハリス氏が暗号資産規制を見直すなどの前向きな発言をした場合、民主党の暗号資産に対する否定的なイメージが改善され、価格が上昇することも期待できるだろう。
一方、米国では、エヌビディア[NVDA]を筆頭にSOX指数が大きく下げており、これまで続いてきたAI・半導体ブームの調整が進む中、売りが継続する可能性がある。しかし、来週発表される8月の米消費者物価指数が引き続き鈍化傾向にあれば、9月の利下げが確定的となり、FOMC(米連邦公開市場委員会)前に不透明感が解消されて買い戻しが強まることも考えられるだろう。
直近、上値としてBTC=933万円(65,000ドル)、下値としてBTC=789万円(55,000ドル)を意識する。