【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,974.97  △38.04 (9/4)
NASDAQ: 17,084.30  ▼52.00 (9/4)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は主力株の一角に自律反発を期待した買いが入り反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株や景気敏感株の一部に利益確定売りが続いたことで続落となりました。64ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると昼前に235ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと昼過ぎにマイナスとなり96ドル安まで下落しました。しかし、引けにかけて持ち直すとプラスに転じ結局38ドル高の40,974ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が8ポイント安の5,520ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も52ポイント安の17,084ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は23万7000件減の767万3000件と2021年1月以来の低水準となり市場予想を下回りました。一方で7月の米製造業新規受注は前月比5.0%増となり市場予想を上回りました。また、7月の米貿易収支の赤字額は前月比7.9%増の788億ドルとなりました。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動が「わずかに拡大した」としたのは3地区にとどまりました。9地区は「横ばいか縮小した」とし、7月の5地区から増加しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、情報技術などの6業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で公益事業や生活必需品、不動産などの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では16銘柄が下げ、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が3%を超えて下落したほか、インテル[INTC]もブロードコム[AVGO]から受注した半導体生産が難航していると伝わったことで3%以上下げました。シェブロン[CVX]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]、キャタピラー[CAT]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%以上下げています。一方で14銘柄が上げ、トラベラーズ[TRV]とIBM[IBM]、ボーイング[BA]が1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)に違反した証拠を集めるための召喚状を送ったと伝わったことでエヌビディア[NVDA]が1%を超える下落となりました。また、決算を発表した1ドルショップのダラー・ツリー[DLTR]も通期の売上高見通しを下方修正したことで急落し22%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が2021年1月以来の低水準となり、労働市場の鈍化を示す内容だったことから0.08%低い3.75%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ143円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の37,000円を割り込みそうで、本日もドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)