BTC(ビットコイン)、838万円のサポートは守られるのか?

8月後半に行われたジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演で、米国は9月以降利下げされることが確定的となりました。金融緩和開始ということで、今後米国はソフトランディングを目指していくことになるでしょう。

一方で、8月26日からBTC相場は突如崩れて続落しました。9月2日の朝もさらに急落して830万円台をつけました。特段、悪材料も出ていないのですが、BTCは約1週間で100万円下落しました。株式市場は安定的であり、その他の金融市場もリスクオン資産は価格を保っているのですが、暗号資産市場だけ価格が下落している状態です。

海外のクリプト総合サイトで確認するとデリバティブ市場において、OI(オープン・インタレスト(未決済の建玉))はマイナスに振れており、レバレッジをかけてロングポジションをホールドしても金利が付く状況が1週間以上継続しています。

このことから、デリバティブ市場ではショートに傾いており、徐々に下方向に賭け始めた投機家がいることが分かります。例年9月の株式市場は軟調に推移しやすい月ですが、暗号資産も同様で、季節性要因を先回りした売りが入っていると考えられます。

BTCは、今後もレンジ相場が続くか

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPYの日足でみると、8月中旬から何度もサポートされている838万円前後付近のサポートラインにトライしている最中です。5日以上、この水準を割り込もうとしていましたが、現在はまだブレイクしていません。現状の日足を見る限り、まもなくサポートライン割れをするかもしれませんが、また下ひげで終わるような値動きとなれば、まだレンジ相場が続くことになるでしょう。

8月5日に暗号資産市場でも急落があったため、市場のポジションはそこまで買いに偏っているようには思えません。時期的なものだと割り切り、私自身は今月も買い方向で考えたいと思います。

MACDでダイバージェンスがまもなく発生、反転合図となるか?

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPYの4時間足に切り替えます。この水準で反発した場合、上値の目処をみておきましょう。SMA90(水色)とSMA200(橙)が重なって推移している880-885万円付近が一つの目安となりそうです。よって、反発してこの価格帯まで戻る場合は、一度利食いを入れて再度押し目買いを狙うと良いのではないかと考えています。

4時間足ではこのサポートラインをブレイクすればMACDでダイバージェンスがしっかりと完成しそうです。このことはテクニカル的にも反転合図であり、デリバティブ市場でも売りに偏っていることも考慮すると、個人的には反発しやすいと考えております。タイミング的には今週前半にこのターンが入ってくるのではないかと考え、私は買いトレードを狙っていきたいと思います。

ETH(イーサリアム)は、BTCよりも形状が良好か?

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足チャート分析に移ります。ETHはBTCの連れ安となっています。しかし、ETHは8月下旬の安値付近まで下落しているわけではありません。

他のアルトコインの4時間足チャートを確認してみても、ETHと似たような形状をしているなど既に売られきっているのか、安値を更新する気配すらないような形状をしているものもいくつか散見されます。このことからBTCが単独で売られているだけで、他への影響も限定的になってきたと考えられ、調整終了が近い合図になるのではないかと考えます。

このように、BTCが下げているのにも関わらず、アルトコインがそこまで下げないという局面は稀です。しかしながら、このパターンは後々大きく上昇しやすい経験もよくあります。それぞれのコインでその兆候が出てきておりますので、やはり9月相場を意識したスポット的な売りが8月最終週に出ていただけなのかもしれません。

ETHは下降トレンドラインにも近づいてきており、このラインを抜けてくると、テクニカル的にも買いやすくなってくるでしょう。上方向にブレイクした場合、SMA90やSMA200が推移する位置まで回復すると予想し、価格的には37万5,000円前後の上値を意識して買いトレードを実行していくと良いのではないでしょうか。

『9月=金融資産は売り(下落)』という傾向がありますが、米国の大統領選挙の年は、他の年と比較すると、そこまで下落することもない傾向もあります。よって、大幅な下落にはならないと考え、個人的には今月も買いトレードをあえて意識していこうと考えています。