【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,563.08  △228.03 (8/30)
NASDAQ: 17,713.62  △197.19 (8/30)

1.概況

先週末の米国市場は、7月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想を下回るなか、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が引き続き相場の支えとなり上昇となりました。31ドル高でスタートしたダウ平均は利益確定の売りが出てマイナスに転じると昼過ぎに189ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと引けにかけて上げ幅を広げ結局228ドル高の41,563ドルで取引を終え、前日に続いて史上最高値を更新しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も197ポイント高の17,713ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は46.1と前月から上昇し市場予想も上回りました。8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も67.9となりました。7月の米個人所得も前月比0.3%増となり市場予想を上回っています。また、米個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増となり市場予想と一致しています。一方で7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.5%上昇となり市場予想を下回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同期比2.6%上昇となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが2%近く上昇したほか、資本財・サービスと情報技術、素材も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも経営不振が続くなかで半導体の受託生産(ファウンドリー)事業の分離や増産計画の見直しなどのリストラ策を検討していると伝わったことからインテル[INTC]が9%を超える上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も3%以上上げました。一方でセールスフォース[CRM]やアメリカン・エキスプレス[AXP]などの5銘柄が下げ、セールスフォースは1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株の上昇が目立ちウエスタン・デジタル[WDC]が4%以上上げ、クアルコム[QCOM]とブロードコム[AVGO]も3%を超える上昇となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%余り上げ、エヌビディア[NVDA]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も1%以上上昇しています。また、決算を発表した半導体のマーベル・テクノロジー[MRVL]も決算で売上高が市場予想を上回ったことで9%以上上げています。さらに主力ハイテク株も堅調で、テスラ[TSLA]が3%を上回る上昇となり、ネットフリックス[NFLX]も1%以上上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%高い3.90%となりました。ドル円は円安に振れ146円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の39,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)